安倍晋三元首相が参院選の遊説中に銃撃され死亡した事件から一夜明けた9日、自民党の菅義偉前首相（衆院神奈川2区）は東京都内で報道各社の取材に応じ、「本当に強いリーダーだった」と安倍氏の死を惜しんだ。最終日の選挙戦では「民主主義の根幹を貫く」と街頭演説に立ち、厳戒下で市民とのグータッチに応じた。
菅氏は第一次安倍政権で総務相、第二次以降は官房長官で首相を支えた。関係者によると、前夜は奈良県の病院に駆け付け安倍氏の遺体と対面。「これまでありがとうございました。でもなぜこんなことに…」と絶句し、涙したという。
首相経験者が襲われるという衝撃的な事件の直後も、横浜と川崎で同党現職の応援でマイクを握った。「平和安全法制などを『内閣支持率が10％は落ちるが日本のために進める』と覚悟の決断をしたのが安倍さん」と時折、声を詰まらせながら思い出を語った。
