【SNS特報班 参院選編】「保守」「右派」「タカ派」の意味は?

 政党や政策でよく使われる「保守」「右派」「タカ派」などの言葉がどのような考え方を表しているのかよく分かりません。わかりやすい言葉で解説してほしいです。【宮崎市・会社員男性(42)からの質問】
政策、立ち位置に違い
 選挙が近づくたび、ニュースや街頭演説でよく耳にする「保守」。宮崎市の会社員男性(42)は「政治的な立ち位置を表す言葉」と理解しているが、どんな考え方か詳しい意味が分からないとして、質問を寄せてくれた。 
 広辞苑で調べてみる。保守は「旧来の風習・伝統を重んじ、それを保存しようとすること」とある。分かるようで分からない。
 宮崎産業経営大の千知岩(ちぢいわ)正継准教授(政治学)を訪ねた。千知岩准教授は、保守は「右派」「タカ派」とほぼ同意語で、それぞれ「リベラル」(広辞苑=自由主義的)「左派」「ハト派」など対立する概念があると説明。その上で「個別の政策に対する賛否などで考えると違いが分かる」と教えてくれた。
 例えば、保守は「改憲派が多い」「選択的夫婦別姓に反対」だが、リベラルは「護憲派が多い」「夫婦別姓に賛成」。さらに「保守は国益や自己責任を重んじるのに対し、リベラルは人権や共助を尊重する」とも指摘。「有権者は各政党の立ち位置を知り、自分の考えや境遇と比べることで投票の判断材料にしてほしい」と話した。
 最後に男性のもう一つの疑問をぶつける。保守には「守る」の漢字があるのになぜ憲法改正を主張するのか―。千知岩准教授は「保守派にはGHQからの押しつけ憲法論や現憲法における戦後民主主義からの脱却を目指す考えがある。憲法を変えた先に、保守が守るべき国家像があるということでは」と持論を述べた。

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