栃木県内で投票用紙の誤交付相次ぐ 宇都宮市では260人分が無効

宇都宮市役所

 宇都宮市選挙管理委員会は10日、同市御幸が原小の参院選投票所で、計260人の有権者に栃木選挙区の投票用紙を渡す際、誤って比例代表の投票用紙を交付したと発表した。栃木県内では同日、栃木市と那須塩原市、那須町の各投票所で1件ずつ、比例代表の投票用紙を二重交付。日光市では期日前投票を済ませた有権者1人に、二重投票させるミスがあった。

 宇都宮市選管によると、同日午前8時20分ごろ、同投票所を訪れた有権者の指摘で判明。投票用紙自動交付機に用紙を入れ間違えたのが原因で、投票開始の午前7時から誤って交付していたのに気づかなかったという。比例代表の投票用紙に選挙区候補者名を記載した票は、無効となる。

 栃木市の栃木第四小、那須塩原市の稲村公民館、那須町の那須高原小体育館の各投票所では、職員が投票者数に対する用紙残数が合わないことなどに気づいた。いずれも誤って1人の投票者に2枚を交付した可能性があるという。日光市の二重投票は、南原地区コミュニティセンターで受け付けの職員が期日前投票済み表示を見落としたのが原因。当該の有権者が選挙区の投票を済ませた直後、誤りに気づいたという。

 宇都宮市で260人分の無効票が出ることについて、県選管の担当者は「記録がないので正確な数字は分からないが、近年の県内では異例ではないか」と述べた。県内投票所でのミスが計5市町に上ったことには「誠に遺憾だ」とした。

 宇都宮市選管の矢古宇克(やこうまさる)委員長は「有権者の貴重な一票を無効としてしまい、選挙事務の信頼性を損なう事態となり、大変申し訳ありません。今後、このようなことがないよう改めて選挙従事者の指導を徹底していきます」とコメントした。

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