【山北町長選】現職・湯川氏4選 新人2人破る 投票率は過去最低

支援者らと喜びを分かち合う湯川裕司氏=10日午後11時ごろ、山北町の事務所

 任期満了に伴う山北町長選は10日、投開票が行われ、無所属で現職の湯川裕司氏(70)がいずれも新人の前町議会議長府川輝夫氏(67)とNPO法人代表高橋純子氏(55)を破り、4選を果たした。投票率は72.68%で前回2010年の町長選から9.33ポイント下落し、過去最低を更新した。

 湯川氏は新東名山北スマートインターチェンジ(SIC)や企業、大型スーパーの誘致、町営住宅の再整備による移住促進策など「町の景色が大きく変わった」と3期12年の成果を強調。山北SIC周辺のキャンプ場整備と道の駅拡充による「山北の新たな玄関口をつくることを最後の仕事にしたい」と訴えた。

 多選への批判から町議会の多数派など保守地盤の一部が新人候補の支持に回るなどしたが、圧倒的な組織力で乗り切った。

 府川氏は人口減少に歯止めをかけられない現状に「町が停滞している」と現町政への批判を展開し、独自の地域振興策を掲げたが組織力で劣った。高橋氏は初の女性町長として浮動票の取り込みも図ったが浸透しきれなかった。

 当日有権者数は8521人(男4162人、女4359人)。

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