下野市長に坂村氏 新人対決、大差で田仲氏破る

支持者とグータッチをして喜ぶ坂村哲也氏=10日午後10時10分、下野市下石橋

 任期満了に伴う下野市長選は10日、投開票が行われ、無所属新人の前市議坂村哲也(さかむらてつや)氏(42)=自民、公明推薦=が、無所属新人の建設業田仲進(たなかすすむ)氏(67)を7637票差で破り、初当選した。投票率は48.98%で、2014年の前々回(44.29%)を4.69ポイント上回った。

 坂村氏は広瀬寿雄(ひろせとしお)市政の継承を掲げ、「市内3駅や市役所周辺の都市開発の推進、良好な教育環境をつくる小中一貫教育の推進、子育て世代を応援する支援と福祉の充実、ふるさと納税の充実」などを訴えた。各種業界・団体の推薦、市議11人の支援を受け、選挙戦を終始優位に進めた。

 午後9時半ごろ、同市下石橋の坂村氏の選挙事務所に当選確実の一報が伝わると、支持者から大きな拍手が湧き起こった。安倍晋三(あべしんぞう)元首相が8日、奈良市で銃撃され死亡した事件を受け、選対関係者などは左肩に喪章を着け、当選報告会での万歳や花束贈呈は取りやめた。

 坂村氏は「これから命懸けで政策実現に取り組んでいく。皆さんの思いをしっかりと受け止め、市民のために働いていきたい」と決意を語った。

 田仲氏は無投票阻止を掲げ、告示日の3日に立候補。市長給与の2分の1減額や住民サービスの向上などを政策目標として7千票余りを得たが及ばず、下野新聞社の取材に「不徳の致すところ。多くの声援を頂き感謝している」と述べた。

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