山からの雪解け水も落ち着き、本格的な渓流釣りシーズンに突入しました。川へ行くと、多くの釣り人が美しい渓流魚を求めて川を釣り歩いている様子が見られます。今回は「渓流釣りをやりたい!」と思いつつも、何から手をつければいいかわからないという人のために、初心者向けの渓流釣り解説を行います。
魚がいない!?初心者が描くイメージとは正反対な渓流釣りの現実
渓流釣りに対して、「どうぶつの森」や「ぼくのなつやすみ」みたいに釣り竿を投げれば簡単に釣れる…というイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、現実は違います。現実の渓流釣りでは、なかなか魚と遭遇することが難しいのです。
人間が簡単にアクセスできて、なおかつ魚がいつでもいる場所はほとんどありません。日本でそんな場所があるのは北海道くらいではないかと筆者は思っています。
では、釣り人はどのように渓流釣りを楽しんでいるのかというと、多くの釣り人は「放流釣り」か「山岳渓流釣り」で渓流釣りを行っています。
放流釣りとは、漁協が定期的に川へ魚の放流を行っており、その魚を釣る方法です。
ただ、放流された魚のほとんどどが数日で釣り切られてしまい、姿を消してしまいます。放流釣りは、天然の釣り堀みたいなものなのです。
次に、山岳渓流釣りとは、人間が簡単には入れない山の中へ釣りに行く方法です。熊との遭遇、滑落事故など危険と隣り合わせな釣りですが、その分、天然ものの美しい渓流魚と出会えるチャンスがあります。
しかし、初心者がいきなり山岳渓流釣りを行うことは危険なので、必ず玄人の人と山の中へ入りましょう。
渓流釣りには「餌釣り」「フライ」「ルアー」の三種類がある 初心者はルアー道具を揃えるべし!
ひとくちに「渓流釣り」と言っても、渓流釣りの方法にはいくつかの種類があります。
大きく分けると、「餌釣り」「フライ」「ルアー」の三種類です。この三種類の中で、筆者が初心者におすすめする方法はルアーです。
初心者が渓流釣りを始める際には、まずルアーの道具を揃えましょう。
何故ルアーが初心者におすすめなのかというと、ルアーの道具は渓流釣り以外の釣りでも流用できるからです。
渓流釣りは魚と遭遇するのが難しいことなどから、始めてみても挫折してしまうケースが少なくありません。
渓流釣り以外では使えない道具を揃えてしまうと、せっかく高いお金を出して道具を揃えても、渓流釣りを辞めた時に無駄になってしまいます。
一方で、ルアーの道具なら海でのアジングなどのライトゲームで流用することができるので、万が一渓流釣りを辞めることになったとしても無駄にはなりません。
「ルアーは一番釣りにくい」なんてことはない!
「ルアーは一番釣りにくい方法なのではないか」という声もあるかと思います。しかし、積極的に餌に食いつく魚…いわゆる「やる気のある魚」がいれば、正直、どんな方法でもきちんと釣れます。
釣り方も大切ですが、いかにやる気のある、スれてていない魚がいる場所へ行くかが渓流釣りの大切なポイントなのです。
もちろん、渓流釣りにハマったら他の道具を揃えるのもアリです。ただ、最初のうちは渓流釣り以外にも使えるような道具を選んでおいて、無駄のないようにしましょう!
▼釣りの道具についてはこちらの記事をチェック!
初心者は練習から始めよう 渓流釣りへ行く前に釣り堀で練習するべし!
ルアー釣りの道具が揃ったら、川へ行く前に練習が必要です。
実際に渓流釣りへ行った時に、現場でもたもたしていると魚が逃げてしまいます。現場でもたつかないよう、しっかりと練習をしておくのが大切なのです。
正しいルアーの投げ方と魚とのやり取りを学ぶために、まずは釣り堀へ行きましょう。
釣り堀は魚が釣りやすいので、正直、釣れない渓流釣りの数倍楽しいです。渓流釣りの練習で釣り堀に行ったら、釣り堀にハマってしまってた…なんて人も大勢いるほどの楽しさです。
また、自分でルアーをキャストしてアクションし、それに対する魚の反応ですぐに答え合わせができるところも釣り堀の醍醐味だと感じます。
釣りは魚を釣った数だけ上手になります。釣り堀で魚を釣りまくって釣りの腕を上げましょう。
▼筆者おすすめの釣り堀はこちら!
いざ渓流釣りへ! 初心者は徹底的に情報を収集して釣れる場所へ行くべし!
釣り堀で練習して釣りの腕を上げたら、いざ、渓流釣りにチャレンジです。
いきなり山岳渓流釣りへ行くのはハードルが高いので、まずは放流釣りに行きましょう。
基本的に、漁協のホームページに放流ポイント・放流日時が公表されていますので、自分が行きたい川を管理している漁協のホームページを調べてみてください。
また、稀に告知なしで放流することもあります。事前に情報収集をしっかり行ってから釣りに挑むと、やる気のある魚に出会いやすいです。
「いや、私はどうしても山岳渓流釣りへ行きたいんだ!」という人は、北海道などの一部地域でガイドサービスを行っている人がいるので、ガイドに申し込んで山岳渓流釣りに行くことをおすすめします。
何も知らないで山に入るより、そのエリアを知り尽くしたガイドと山に入るほうが楽しさと収穫が倍増します。
また、釣れるポイントや危険な場所なども教えてくれるので、次からは自分だけでもチャレンジできるようになります。独学より人から教わったほうが、釣りの腕も早く上達するはずですよ。
▼渓流釣りでのマナーも事前にチェック!
渓流釣りには危険もある! 安全第一で渓流釣りを楽しむべし!
渓流釣りは危険が付きまとう遊びです。一歩間違えれば、命の危険が数多くあります。
山の中では、圏外で携帯の電波もなく、万が一のことがあったときに助けを呼べない場合もあるので、充分注意しなければなりません。
そこで、初心者が渓流釣りに行く際に最低限守るべきことを3つまとめました。
フェルトシューズを履こう
フェルトシューズを履くと、足場の安全を確保しやすくなります。
川底はコケなどで大変滑りやすくなっているため、靴底がフェルトになっている靴かウェーダーがマストです。
安全のために、ここだけはケチらずに良いものを買いましょう。
▼渓流釣りの服装についてはこちらの記事もチェック!
熊よけの鈴を持とう
熊よけの鈴を持つことも、安全性を高めるのに有効な方法です。
鈴を鳴らせば、熊だけでなく、人間にも自分の存在を示すことができるようになり、トラブル防止に繋がります。
熊防止の観点からだと、できれば熊撃退スプレーも持ったほうがいいとは思いますが、マストで用意する必要はないかと思います。
熊撃退スプレーは、値段が高いですし、いざ熊と出くわした時に落ち着いてスプレーをかけられる人は一握りだと思います。あと、向かい風だと自分に降り注ぐので自爆します(笑)
天気予報を確認しよう
最後に、天気予報を確認することも大切です。
当然ですが、釣り場で雨が降っていなくても、上流で降っていれば川は増水します。天気予報を確認し、雨の予報が出ている際には、初心者は渓流釣りを控えるようにしましょう。
また、山の天気はころころ変わるので、雨予報でなくても、山頂付近に黒い雲がかかっていた場合は引き上げることをおすすめします。
初心者は道具選び・情報収集・安全確保を徹底すべし! 渓流釣りを通して大自然を楽しもう!
筆者は「魚が釣れなくても楽しい釣り」、それが渓流釣りだと思っています。
正直、天然もののイワナやヤマメを釣ることは困難です。
だからこそ、そんなレアな渓流魚が入れ食い状態で釣れる未開のポイントを探し求めて山々を歩く……まるで宝探しのような楽しさこそが、渓流釣りの醍醐味です。
まずは一匹、美しい渓流魚を釣りあげて眺めてみてください。渓流魚たちには、宝石のような美しさがあります。その美しさと感動は、渓流釣りをした人しか手にすることができないお宝です。
また、渓流釣りを通して山菜採りなどの他の山遊びにも触れることでより、自然を楽しむことができるようになります。
渓流釣りを通して、自然の中での遊びを今まで以上に楽しんでみてはいかがでしょうか。