原発の使用済み核燃料中間貯蔵施設どこに…福井県との約束まで1年 関西電力の森望社長「不退転の覚悟で」

中間貯蔵施設の計画地点確定に向けた決意を述べる関西電力の森望社長=7月8日、福井県庁

 関西電力の森望社長が7月8日、福井県庁を訪れ、杉本達治知事に就任あいさつした。森社長は、2023年末を期限としている原発の使用済み核燃料中間貯蔵施設の県外計画地点確定について「当社の最重要課題の一つ。何としてでも期限までに確定できるよう不退転の覚悟で取り組む」と述べた。

 森社長は兵庫県出身。執行役常務などを経て昨年6月から副社長を務め、今年6月に社長に就任した。

 森社長は、23年末までに計画地点を確定できない場合、運転開始から40年を超えた美浜原発3号機(福井県美浜町)、高浜原発1、2号機(福井県高浜町)は計画地点確定まで運転しないとする方針を引き継ぐとし、「既に私自身、国や電気事業連合会の関係者と面談するなど取り組みに着手している」と報告した。

 その上で「地元に軸足を置いた原子力事業運営が、経営の基軸をなすと考えている。引き続き立地地域をはじめ、福井県に丁寧に説明し理解を得ながら進めていく」と述べた。一方、計画地点確定の進捗状況など具体的な言及は避けた。

 杉本知事は「もう1年しかない。本当に約束を守ってくれるのか注目している。一日も早く計画地点確定の報告をいただきたい」と要望。「原発はいうまでもなく安全が最優先。引き続き緊張感を持って進めてほしい」と求めた。

 前社長の森本孝特別顧問らが同行。敦賀市など嶺南各市町も訪問した。

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