「島守の塔」試写会  監督が栃木県内ロケ地などPR 琉球舞踊披露も 宇都宮

舞台あいさつする五十嵐監督

 【宇都宮】太平洋戦争末期の激戦地沖縄県を舞台に、知事島田叡(しまだあきら)と警察部長荒井退造(あらいたいぞう)(市出身)らの姿を通して命の大切さを伝える映画「島守の塔」の県内初の完成披露試写会が10日、市文化会館で開かれた。作中に登場する琉球舞踊などが披露され、舞台あいさつでは五十嵐匠(いがらししょう)監督が「(県内ロケ地として)大谷や岩船山なども出てきます」と作品をPRした。

 「島守の塔」は、戦禍が激しさを増す沖縄で住民の疎開に尽力し、多くの命を救った荒井と島田の姿を描いた物語。新型コロナウイルス禍で1年8カ月の撮影休止を強いられたが、完成にこぎ着けた。

 試写会には映画関係者や協力者、招待客など約120人が参加。五十嵐監督は「俳優たちはガマ(洞窟)にこもる体験をし、沖縄県民の気持ちになって演技しました」などと撮影の様子を紹介した。

 琉球舞踊を披露した仲村佑奈(なかむらゆうな)さん(23)は「(島田の出身地の)兵庫出身なので映画出演は縁を感じ、とても感激です」と話した。

 ボランティアで本作の製作に参加し、試写を見た文星芸大4年増渕奈美希(ますぶちなみき)さん(21)は「当時の沖縄の人たちの苦しい思いが身にしみた。映画に関われて光栄です」と感動していた。

 映画は22日に都内で封切りとなり、本県と兵庫県、舞台となった沖縄県では8月5日から同時公開される。本県では宇都宮市の宇都宮ヒカリ座とMOVIX宇都宮、小山市の小山シネマロブレ、那須塩原市のフォーラム那須塩原計4カ所で上映される。

舞台あいさつする五十嵐監督
試写会場で披露された琉球舞踊

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