相浦の活性化へ 「相浦未来まちパートナーズ」設立 大学と連携、農地活用も

佐世保市相浦地区の活性化を目指す「相浦未来まちパートナーズ」の設立総会=県立大佐世保校

 長崎県佐世保市相浦地区の地域活性化を図るため、地元有志らは5日、まちづくり団体「相浦未来まちパートナーズ」を設立した。同地区の中心部にある広大な農地や、老朽化した市総合グラウンドの活用も視野に入れ、本年度は地域の将来構想「相浦ビジョン」の策定を進める。キーワードに「農水産業」や「スポーツ」の振興などを掲げ、行政にも実現に向け協力を求める。

 農地約40ヘクタールは地権者でつくる相浦土地改良区が管理。国、県、市の支援を受け、1996年度までに約20億円を投じて優良農地を整備したが、農家の高齢化などで活用が進まず、大半が牧草地となっている。
 2004年には大型商業施設を誘致する計画が浮上。だが、賛否を巡る論争の末、06年に市は商業利用を認めないと表明した。
 こうした現状を踏まえ、地元有志らは19年から団体設立を模索。地元の特徴を再確認しながら、住民や近隣の大学、企業、行政が連携し、地域活性化の取り組みを推進するプラットフォーム(基盤)を目指すとした。
 この日は、同市の県立大佐世保校で設立総会を開催。改良区で事務総括を務める浦芳郎さん(42)が代表理事、同大の車相龍(チャサンリョン)教授ら5人が理事に就任した。田中英隆副市長ら地元関係者約40人が出席した。

相浦未来まちパートナーズのロゴマーク(提供)

 本年度の活動計画では、将来構想の策定のほか、地域の未来を考えるトークイベントなどを企画する方針。ホームページを立ち上げ、個人や企業・団体、学生の会員を募り、活動の輪を広げる。地元でシンボル的な存在となっている愛宕山をモチーフにしたロゴマークもお披露目した。
 浦代表理事は「相浦に未来を感じ、人が集い、挑戦する舞台をつくりたい。この地域が育つことで、県北や西九州の発展に寄与したい」と協力を呼びかけた。


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