史上最多の10人出馬 参院選 真夏の広島での選挙戦 自民と無所属が制す 維新届かず 参政党のインパクト

10日、投開票された参議院選挙。改選2議席の広島選挙区では、過去最多となる10人が立候補し、自民党の現職と無所属の新人が当選を果たしました。

□ 自民党 宮沢洋一氏

トップ当選した自民党・現職の宮沢洋一氏。銃撃事件による安倍元総理の死去を受け、10日夜、陣営ではバンザイをせず、黙とうを捧げました。事件後は街頭活動などを控えましたが、組織を固め、盤石の戦いでほかの候補を寄せつけませんでした。

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自民党 宮沢洋一氏
「困難に直面しているこの時代にしっかりと政権を運営できる、日本を正しい方向に導くことができるのは、自民党しかない。そして、自公連立政権しかないとずっと訴えてきた」

今回の選挙戦で自民党をはじめとする憲法改正に前向きな「改憲勢力」は、国会発議に必要な3分の2以上の議席を維持しました。岸田総理は、憲法9条の自衛隊明記など具体案の作成へ議論を加速させたい考えです。

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宮沢氏は、これについて、「国民的な機運が高まってきているのは間違いない」としつつもこう説明しました。

RCC

3期目の当選 宮沢洋一氏
「有権者の選択にゆだねるところまでそう遠くないところに来ているのだろうが、75年にわたって改正してこなかった憲法を改正するには相当ていねいな手続きをする必要がある」

□ 無所属 三上絵里氏

三上絵里氏
「このたびの経験で学んだことがあります。それは1人では何もできないということです」

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初当選を果たした無所属・新人の元テレビ新広島アナウンサーの三上絵里氏は、立憲民主党を中心にした政治団体「結集ひろしま」がバックアップ…。選挙戦では、支援団体へのあいさつ回りのほか、終盤は特に都市部での街頭活動で無党派層の取り込みに力を入れました。

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三上氏は11日朝、広島バスセンター前で通勤・通学している人たちに声をかけていました。

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初当選 三上絵里氏
「感謝の気持ちをお伝えしました。平和なくして日々の生活・暮らし・経済活動はない。この6年を通じて広島選出議員として、わたしができること、『平和の発信』だと思う」

□ 日本維新の会 森川央氏

森川央氏
「できる限り短い間でもみなさんとの接点を持つように走り抜いてきたが、まだ足りなかったのでは」

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去年の衆院選で躍進…。今回も全国では議席を伸ばした日本維新の会は、公示直前に元京都市議の森川央氏を擁立しました。ただ、知名度不足の影響もあり、当選した2人にリードされた展開となりました。

森川央氏
「やはり、わたしの力不足。それに尽きます」

RCC

日本維新の会は、来年の統一地方選や国政選挙でも候補者を擁立する考えを示しました。

□ 社民党

政党要件を失う存続の危機に立たされていたのが社民党。先月、福島みずほ党首は、広島市の平和公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花しました。

RCC

社民党 福島みずほ党首
「社民党、わたしにとって、日本社会にとって、正念場の選挙。もう崖っぷち。核兵器廃絶に向かって、日本の国会の中で政党として先頭に立つことを強く訴えたい」

RCC

福島党首は、比例代表で当選し、党は有効投票の2%以上を獲得し、政党要件を維持しました。

□ 参政党

一方、新たに政党要件を満たしたのが参政党です。広島選挙区には、横浜市出身でイベント会社社長の新人・浅井千晴氏を擁立。

RCC

浅井千晴氏
「投票したい政党がないなら自分たちでゼロから作る」

選挙戦のラストサンデーには、およそ1000人の聴衆が集まりました。全45選挙区に1人ずつ、比例代表に5人を擁立し、党事務局長の神谷宗幣氏が初当選を果たしました。

選挙戦で食の健康や子育て・学校教育の充実など、無党派層や若い世代を中心に支持を訴えた浅井氏は、5万票余りを獲得。広島でも一定のインパクトを残しました。

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浅井千晴氏
「3年前の参院選(大規模買収事件)の影響でかなり今回はお声もたくさんいただいた。だから、今回、受け皿的な立ち位置になれたことは確か。結果としてはつながらなかったけど、次につながるいい選挙だった」

□ 投票率

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投票率は46.79%で、3年前の前回より2.12ポイント上回りました。

【広島選挙区】
当 自民・現 宮沢洋一 53万 375票
当 無・新 三上絵里 25万9363票
維新・新 森川央 11万4442票
共産・新 中村孝江 5万8461票
諸派・新 浅井千晴 5万2969票
N党・新 渡辺敏光 1万1087票
無・新 玉田憲勲 7335票
諸派・新 野村昌央 7149票
無・新 産原稔文 6717票
N党・新 猪飼規之 5846票

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