「民主主義の根幹を揺るがす行為」静岡県内からも怒りや憤りの声 安倍元総理 銃撃で死亡

安倍元総理が7月8日、参院選候補の街頭演説中に銃撃され、死亡が確認されました。静岡県内の政治家や市民は「民主主義の根幹を揺るがす行為」と怒りの声をあげました。

8日午前11時半ごろ、奈良県奈良市内の路上で、街頭演説にあたっていた安倍晋三元総理が銃撃され、元自衛官の男が現行犯逮捕されました。

安倍元総理は心肺停止が続き、午後5時3分に死亡が確認されました。

静岡県内の政治家は憤りを隠せません。

<静岡県 川勝平太知事>

「言論の自由が保障されている社会、言論で闘っている真っ最中に、言論を封鎖する、背後から容赦なしに撃ったということ。まさに卑劣なる行為、卑怯者の行為であると思いまして、断じて許すことができない」

自民党静岡県連の城内実会長は、SBSの取材に次のように語りました。

<自民党静岡県連 城内実会長>

「まさかこんなことが起こるとは信じられない」

県内の野党議員からも非難の声が上がりました。

立憲民主党の渡辺周議員は「犯人の動機は分からないが、主義主張がいかに違っていようとも、凶器を使い、封殺することは許されない」と話しました。

国民民主党の榛葉賀津也議員は「言論の自由を封殺せんとする所業は民主主義の根幹を揺るがす蛮行」と非難。

共産党静岡県委員会は「選挙活動を妨害し、個人を襲撃するこのようなテロ行為は絶対にあってはならない」とコメントしています。

市民の間では不安が広がります。

<市民>

「いろいろな候補者の演説を聞きたい人もいると思うのでそういう方は少し…」

「日本は安全な国と海外からも言われているのでショックな出来事」

安倍元総理は今年5月、吉田町で開かれた防潮堤の完成式典に出席していました。津波防災対策で町民の命を守る吉田町のまちづくりに、大きな期待を寄せていたといいます。

<吉田町 田村典彦町長>

「大変ショックを受けております。安倍元首相のおかげでこの町の津波防災まちづくりは一挙に前進した。(吉田町の防災対策は)まさに『僕(安倍元総理)が描いた地方創世のひとつのモデル。そう受け止めている』とおっしゃっていただいた」

熱が帯びる参院選の真っただ中に起きた悲惨な事件。事件を受けて予定していた街頭演説にも影響が及びました。

<関係者>

「中止ということになりましたからご迷惑をかけますけど」

他の陣営も街頭演説から小さな集会に急きょ変更するなどそれぞれ対応を迫られました。

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