意外と知らない「牛乳」の効果 飲むのに最適なタイミングは?

みなさんは普段から牛乳を飲んでいますか? 「体によさそう」というイメージはあるものの、意外と知らない牛乳の効果について、一般社団法人日本乳業協会 企画広報部の尾崎裕司さんに、SBSラジオ『IPPO』パーソナリティの牧野克彦アナウンサーが聞きました。

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最近、牛乳を飲んでいますか?

牛乳にはどんな栄養素が含まれている?

牧野:尾崎さんご自身も、やはり毎日牛乳を飲んでいるんですか?

尾崎:朝、昼、晩に1杯ずつ飲んでいます。

牧野:牛乳にはどんな栄養素が含まれているのでしょうか?

尾崎:牛乳はカルシウムを多く含むだけでなく、ビタミンAやビタミンB2も豊富です。不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)や分岐鎖アミノ酸をバランスよく含んだたんぱく質が多いことでも知られています。

さらにミネラルも含んでいますので、暑い時期は熱中症予防にも最適です。汗で失われた電解質を補うことができます(編集部注:諸説あります)

牛乳を1日に飲む“適量”、おすすめの“タイミング”は?

牧野:尾崎さんは1日3回飲んでいるとのことですが、どのくらいの量を飲むのがいいのでしょうか?

尾崎:私は1回にコップ1杯(1杯200ml)の量を飲んでいますが、1日の目安としてはコップ1~1.5杯程度といわれています。

牛乳を多く飲むとカロリーが気になるところですが、1杯42kcal位なので3杯飲んでも過剰ではないと判断しています。

体のことを考えた時に重要になるのは、バランスのいい食事です。牛乳の飲みすぎでお腹がいっぱいになってしまい食事が取れないという場合は、一度に飲む量を減らす、食前を避け食後に飲むようにするなど工夫するといいでしょう。

牧野:牛乳を飲むのにおすすめのタイミングはありますか?

尾崎:基本的にはいつ飲んでも構いませんが、目的ごとに最適なタイミングがあります。例えば、朝の牛乳はその日の夜の寝つきをよくしてくれます。運動後に飲めば、筋肉の回復や汗で失われた水分の補給、夜の牛乳は骨作りに役立つなどそれぞれ効き目が違ってきます。

冷たい牛乳と温かい牛乳で違いはある?おすすめの飲み方は?

牧野:冷たい牛乳と温かい牛乳で、体への効果に違いはありますか?

尾崎:栄養という面では特に違いはありません。牛乳に関わらず、飲料は温かい方が胃の温度を一定時間高く保つことができるので、消化酵素の働きが低下するのを防ぐことができます。

乳糖を消化する酵素が少ない乳糖不耐症気味の人の場合は、温めて飲んだ方が乳糖が分解されやすくなり、おなかがゴロゴロしにくくなるともいわれています。

牧野:牛乳が苦手な人におすすめの飲み方はありますか?

尾崎:コーヒー、紅茶などに混ぜて飲むのもいいですが、ジュースと混ぜてみるのもいいですよ。牛乳とフルーツジュース(果汁100%のもの)なら1対1で混ぜるのがおすすめです。あとは、料理に使うのもいいと思います。それでも牛乳が苦手という人は、ヨーグルトやチーズでもカルシウムやたんぱく質を摂ることができます。

1日に3回(品)乳製品を飲もう!食べよう!

牧野:食生活を改善しようという運動「3-A-Day(スリー・ア・デイ)」について教えてください。

尾崎:「1日3回または3品、牛乳・ヨーグルト・チーズをどれでも自由に食生活に取り入れて、健康にいい食事を実践しよう」という食生活改善運動です。2003年にアメリカで始まりました。

例えば、朝食のときに牛乳を飲む。おやつにヨーグルトを食べる。アルコールのつまみにチーズを選ぶ。「1本飲まなくてはいけない」とか「1袋食べないといけない」ということではなく、手軽に一口食べたり飲んだりしてみようというものです。

牧野:これなら1日3回無理なく摂取を続けられそうですね。40代の女性でも、骨密度が落ちてきたという話を聞いたりします。そういったものの予防にもなりますよね。

尾崎:はい、人の骨は食事から摂取したカルシウムによって作られているので、もちろん影響してきます。個人差はありますが、骨密度は成長に伴い上がっていき、20歳ごろに最大値を迎え、40代頃までは最大骨量が維持されます。そしてそれが50代以降に低下していきます。

この最大骨量に至るまでの小学生から高校生の時期に、カルシウムとビタミンDなどの栄養を摂取することが重要です。またその時期に適度な運動や日光浴を行うことによって、最大骨量に達したときの骨密度を高めることができるんです。

若い時期から積極的にカルシウムを摂取し、その後も減らないように補給し続けてほしいと思います。

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