◆西湘11―9大磯
両チーム合わせ25安打20得点の激しい打撃戦。そのど真ん中で一騎当千の働きを見せたのが、西湘の主砲大津だ。
同点とした直後の八回2死二塁。「相手も強気に真っすぐで来ると思っていた」とひるまず初球の高め直球を捉え、左翼線へ鋭い打球音を奏でた。これが決勝打となり、実力伯仲のゲームに終止符を打った。
一時は3点差に広げられるも、主将石村は「打撃は自分たちの持ち味。取られたから沈むのではなく、『よっしゃ、取り返してやる』という自信があった」と振り返る。
3本の二塁打で4打点をマークし、その心意気を体現した大津はプロ野球・横浜DeNAの主砲、牧に顔がそっくり。練習試合中にも相手選手から「牧に似ていますね」と言われるほどで、大津本人も「これで二塁手だったら完璧なんですけどね」と照れ笑いする。
牧が口にする「(逆方向の)右に強く打つ」との意識に加え、ベンチを盛り上げるムードメーカーの役回りはハマの4番と重なる。ただ、背番号2は「まずは投手にベストボールを投げさせることが自分の役割」と反省も忘れず、「チャンスで打席が回ってきたら自分はかえすだけ」と次戦をにらんだ。