ダイナミックなダンス魅力 9歳「Wato」が強化選手に パリ五輪初採用ブレイキン

全日本ブレイキン選手権(ジュニア部門)で力強いダンスを披露するWato(日本ダンススポーツ連盟提供)

 2024年のパリ五輪で初採用され注目が集まるブレイキン。「BBOY Wato」として活動する倉井湧都(くらいわと)(石橋北4年)が日本ダンススポーツ連盟のジュニア部門強化選手に選ばれた。競技を始めてまだ5年足らず。全日本選手権(ジュニア部門)での優勝や世界大会を経験し、同世代をリードする存在になった。

 父貴之(たかゆき)さん(39)の勧めで5歳からブレイクダンスを始め、「自分のやりたいことを表現できる」とのめり込んでいった。週2日、神奈川県に通って国内トップ選手とともに腕を磨いているほか、自宅での練習も欠かさない。

 身長125センチと小柄ながら、手や頭部など体のさまざまな部分で回転する「パワームーブ」や、素早い脚さばきやステップといった「フットワーク」を生かしたダイナミックなダンスが持ち味だ。今年1月の全日本選手権ジュニア部門では、全国6地区の予選を勝ち上がった同世代のライバルと対決。1対1で競う決勝では、BGMを意識しながら高難度のパワームーブや軽快なフットワークを繰り出して相手を圧倒し、初の栄冠をつかみ取った。

 昨年秋には、日本を代表するブレイクダンスチーム「THE FLOORRIORZ」の最年少メンバーとして、フランスで開催されたブレイクダンス界のワールドカップ「Battle Of The Year」に出場しベスト4入り。「こんなことが重なって良いのかというほど、特別な1年間になった」

 パリ五輪の出場は、年齢制限のためにかなわないが、28年のロサンゼルス五輪とブレイクダンス界最高峰の大会「Red Bull BC One」での優勝を最大の目標に据える。「世界で勝ち続けるためにも、技を極めて自分のスタイルをつくっていきたい」

 まだ9歳。その挑戦は始まったばかりだ。

全日本ブレイキン選手権(ジュニア部門)で優勝し強化選手に選ばれたWato(日本ダンススポーツ連盟提供)

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