安倍元首相追悼=ブラジル政界からお悔やみの言葉=「どうして日本でこんな事件が」

ブラジル日本連邦議員連盟の西森ルイス会長

 ブラジル日本連邦議員連盟の西森ルイス会長(下院議員、PSD)は安倍晋三元首相の訃報に際し、「安倍さんは世界的政治家リーダーの一人だった。ブラジル日本両国にとってだけでなく、日系社会にとっても大きな損失です」と8日、電話で残念そうに述べた。
 西森氏は2014年の安倍首相来伯時はもちろん、19年のG20大阪の際にも、ボルソナロ大統領の横で両国間の外交問題を安倍首相(当時)と話し合った。直近ではこの4月に訪日した際にも、1時間ほど話し合った。
 「ブラジル日本関係の将来に関して、メキシコやEUと同じようなFTA(自由貿易協定)を両国で結んでほしいというお願いをしたら、安倍元首相は『なんとかやらなきゃね』と言ってくれた。選挙が終わったら、実現に向けた具体策を練るところだった。期待していた矢先だったのに、こんなことになってしまった…」
 さらに「ブラジル人が技能実習生として訪日でき、その際に問題が起きないような仕組みにする相談もさせてもらい、四世ビザのことも話し合った。ブラジルのことを真剣に考えてくれる数少ない日本の政治家の一人だった。本当に辛い。残念だ」と声を落とした。

大統領選候補の一人、シモネ・テベテ上院議員

 「議論を戦わせて話をまとめていくのが民主主義の根本。銃弾という暴力でそれを止めてしまったこの事件は、民主主義の根本をひっくり返すもの。許しがたい。どうしてそんなことが日本で起きてしまったのか」と声を震わした。
 10日にサンパウロ市リベルダーデ日本広場で開催された七夕祭りを訪れた、10月の大統領選候補の一人、シモネ・テベテ上院議員(MDB)に安倍元首相の件に関するコメントを求めると、「日本国民に連帯の気持ちを表明します。日本は世界で最も平和的な国だと思っています。その平和さは、まさに私たちブラジルが必要としているもの。私の共感の気持ちを、ご家族と日本国民の皆さんにお伝えしたい。我々は兄弟国だ」と語った。

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