7月10日、富士山の静岡県側にある3つの登山ルートが開通しました。行動制限がない中で迎えた山開きは、たくさんの登山客でにぎわいました。
<静岡県職員>
「これより、富士山登山道、閉鎖を解除します」
富士山の夏山シーズンが始まった10日、富士宮口六合目からは山開きを待ちわびた登山客が次々と山頂を目指していきました。
<富士山最多登頂記録保持者 實川欣伸さん>
Q.何回目の登山になりますか?
「2120回目です。富士山は見る山で、登る山ではないと言われるが、登ったものにしか見れない景色がある」
<登山客>
「きょうは急きょ、天気が良さそうだったので初日に来てみた」
富士山は2020年、新型コロナの影響で山開きせず、2021年も首都圏などに「まん延防止等重点措置」が出ていて、登山者はコロナ禍前の3分の1の水準でした。
<静岡県富士土木事務所維持管理課 佐野光政課長>
「去年よりもかなりたくさんの人が来ている。感染症対策をしながら、登山を楽しんでいただくように声かけをしている」
今シーズンは、登山客が大幅に増えると見込まれ、静岡県などは警戒しています。
<富士宮警察署 佐野信浩署長>
「登山客の分母が増えれば、当然事故に遭う件数も増えてくる。能力を十分に発揮して、山岳遭難事故に対処して欲しい」
<山岳救助隊員>
「出発!」
登山者の増加に伴って、けがや遭難などの事故が心配されます。今年は山岳救助隊が登山客の多い日を中心に、九合目に待機する予定です。五合目には臨時の派出所も設けられました。
<富士宮警察署 天野芳樹地域課長>
「傾斜がきつく、事故・遭難が多いルートになる。そういった危険性も考慮した上で安全に登山をして欲しい」
<検温・体調チェック>
「登山される方、こちらで体調確認をお願いします」
また、コロナ対策として、五合目行きのシャトルバスの乗り場では検温が行われています。
<静岡県 富士山世界遺産課 鈴木典之課長>
「静岡県や山小屋などで感染症対策は講じていくが、登山されるみなさんも準備をしっかり行って、マナーを守りながら、無理のない登山を楽しんでもられば」
新型コロナの感染者が再び増加する中、今年は、新しい時代の登山のあり方が問われる夏山シーズンとなりそうです。
山小屋などによりますと、予約状況は例年と比べてかなり良いそうです。富士宮口五合目では、レストハウスが放火事件で焼失したため、プレハブの臨時売店や休憩所、簡易トイレが10基設置されています。
#LIVEしずおか 7月11日放送