瞬間を創造する。金沢発のストリートブランド「CREEREN」とは？

ここ数年、地方（ローカル）から発信するアパレルブランドが注目を集めています。

地元ならではの独自な視点と、画一的ではないコンセプトがその魅力。

筆者自身も好んで着ている服や小物を見渡してみると、福島、福岡、福井（福つながりは偶然）などなど、地方から発信するブランドものが多かったりします。決して「地方だから」という理由で選んでいるわけではないのに、なんだか不思議な気がしますね。

そんな中、今年３月「金沢フォーラス」に、気になるお店がオープンしました。

その名も『CREEREN』。ストリートカルチャーを色濃く反映する金沢発のブランドです。ちなみにCREERENはオランダ語で「創造」を意味する言葉だそうです。

今回はその代表であるBUKKIさんを直撃。立ち上げの経緯やブランドに対する想いなどを聞いてみました。

ーーよろしくお願いします。BUKKIさんって何歳の時に「CREEREN」を立ち上げたんですか？
BUKKIさん：18歳です。

ーーえっ！そんなに若かったんですか
BUKKIさん：アディダスショップでアルバイトしてたときに、友人と一緒に立ち上げたんですよ。

ーーボクが18歳の頃なんて、ひとりで洋服を買うのすらドキドキでしたよ
BUKKIさん：ハハハ。子供の頃から洋服が好きで、友達におすすめのブランドを紹介したり、コーディネートをしたりしてたんです。

ーーそうなんですか。なぜ、洋服に興味をもったんですか？
BUKKIさん：アパレルショップで働いてた姉の影響が大きいですね。

ーーアパレルブランドの立ち上げって、どんなことから始めるんですか？
BUKKIさん：最初は本当になにも分からなくて、とりあえずサッカーのユニフォームを作ってる店にデザインを持ち込んで、Tシャツを作ってもらって、それを仲間に配るみたいな感じでした。

ーーへ〜
BUKKIさん：でも、３年目を過ぎたあたりで「形にするためには、もっと本腰を入れないとダメだ」と思い始めて。ラッパーとかスケーターに提供する形で、アイテムを展開していったんです。

ーーそうやって有名になったブランドって結構ありますもんね
BUKKIさん：縫製や仕上がりを意識し始めたのもその頃で、立ち上げ後すぐ出会った工場がいい仕事をしてくれるので、今でも使い続けているんですよ

ーーBUKKIさんはアディダスショップの店長も勤めていたんですよね。独立する時は迷ったりしなかったんですか？
BUKKIさん：それはなかったですね。ストリートブランドは地元でやることに意味があると思っていたので。

ーー意味とはなんでしょう？
BUKKIさん：金沢に暮らしているからこそ浮かぶデザインだったり、創造できるものだったりいろいろあるけど、やっぱり一番大きいのは「人」ですね。

ーー人ですか
BUKKIさん：金沢のストリートカルチャーに影響を受けてきた仲間たちと一緒にモノを作ることができる。これって地元じゃないとできないことだと思うんですよ。

ーーたしかに
BUKKIさん：クリエイティブな感性をもった仲間や後輩、家族に恵まれているのが僕の強み。『CREEREN』がそういった人たちの表現の場になればとも思っています。

ーーファッションだけでなく、人の輪も「創造」していくんですね
BUKKIさん：そうしていきたいですね。

ーーBUKKIさんは洋服をデザインするとき、どんな感覚を大切にしてるんですか？
BUKKIさん：瞬間を切り取ることですね。

ーーといいますと？
BUKKIさん：僕がストリートに一番魅力を感じるのは、瞬間のカッコ良さなんです。たとえばスケートボードのトリックやラップのリリックのように、その瞬間を切り取ったもので勝負したいんですよ。

ーーそれって簡単なようで難しい気がします…
BUKKIさん：そうですね。なのでアイデアが閃いたときは、デザインに起こすまで余計なフィルターを通さないようにしています。あとはデザインを描いたら、なにがあっても商品化する。これは絶対的なルールです。

ーー徹底してますね。
BUKKIさん：考えれば考えるほど、持ち味が失われていく気がするんですよ。このスピード感はこれからも大切にしていきたいですね。

「いつか実家の前に自宅兼店舗のガレージハウスを建てて、正真正銘の地元からストリートカルチャーを発信したい」と語るBUKKIさん。今後も目が離せないブランド間違いなしです！

CREEREN
クレイエールン
石川県金沢市堀川新町3-1金沢フォーラス3F
TEL.080-7091-0023
営業時間／10:00〜20:00
定休日／施設に準ずる
駐車場／近隣にコインパーキングあり
※こちらの情報は取材時点のものです。

（取材・文／BONNO編集部、撮影／林賢一郎）