比例で維新が野党第1党、立憲「惨敗」責任問題

 今回の参院選挙で改選前より6議席減らした立憲民主党。泉健太代表は「今の自民党の政治に対し、不満はあれども、政権を任せられるだけの勢力と国民の皆さんから認知される勢力になりえなかったと痛感している」と開票日の深夜の記者会見で語った。

 32ある1人区で野党が4勝しかできなかった背景に野党連携・野党共闘を前回参院選のように進めることをしなかったことも要因として大きい。しかし、泉代表は「共闘すれば勝てるとか共闘しなかったから勝てなかったという単純なものではない」とした。共闘が限定的になり、選挙態勢を整えられなかったことが与党を利したことは否定できない。泉代表は分析していくとした。

 「比例1300万票、野党で改選議席過半数獲得」目標が両方で達成できなかったことについて「当然責任を負う立場にある」としたが、代表を降りる考えは「ない」とした。執行部刷新についても「現時点ではない」と否定。

 比例票では立憲は676万9854票、得票率12.8%。比例得票目標の半分超にとどまった。その責任は重い。日本維新の会に野党1位の座を19都府県で許し、総合得票で維新が784万5985票(得票率14.8%)と立憲より107万6131票、得票率で2%上回った。今回選挙に限定すれば、維新に野党第1党の座を明け渡す「惨敗」と言わざるを得ない。立憲にとって、深刻な事態といえよう。

 党再生には執行部刷新は避けられない。地方議員を育てられていないことも大きな敗因になっている。蓮舫元行政刷新相は「党全体としては厳しい結果。野党第一党と言い切ってはいけません。猛省と再生のためのリスタートが必要」とツイッターでつぶやいた。党再生へ再出発には今回選挙の分析、総括のうえに「新体制」で中央、地方の基盤づくりに2年以内の再構築を図るほか道はない。

 ちなみに自民党の比例票は1825万8791票、得票率「34.4%」、日本共産党は361万8342票、得票率6.8%、国民民主党は315万9045票、得票率6%、れいわ新選組は231万9159票、得票率4.4%、社会民主党は125万8621票、得票率2.4%だった。立憲・共産・国民・れいわ・社民の5党得票率を合計すると「32.4%」になる。(編集担当:森高龍二)

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