「庵野秀明展」山口県立美術館で開幕 9月4日まで

 宇部市出身の映像作家、庵野秀明さんのこれまでの軌跡を振り返る「庵野秀明展」(https://www.annohideakiten.jp/)が、8日に山口県立美術館(山口市亀山町3、https://www.yma-web.jp/)で始まった。東京、大分、大阪に次ぐ開催だが、宇部市に関係する内容も加わった、地元ならではの特別な展示となっている。9月4日(日)まで。

▲開会式でのテープカットの様子

 庵野さんは、社会現象を巻き起こした「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズ、昨年公開の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」など「新劇場版」シリーズ全4部作、脚本・総監督を務めた「シン・ゴジラ」、現在も公開中の企画・脚本を務めた「シン・ウルトラマン」など、アニメ・実写を問わず、これまで多くの話題作、ヒット作を世に送り出してきた。本展は、彼の「過去」「現在」「未来」を辿る展示となっており、1500点を超える資料が並ぶ。
 「原点、あるいは呪縛」と題された最初のコーナーではまず、彼が宇部市で過ごした時期に影響を受けた「ウルトラマン」「仮面ライダー」「宇宙戦艦ヤマト」等、さまざまな特撮・アニメの膨大な資料が展示。実際に撮影に使用された着ぐるみや「ジェットビートル」「ウルトラホーク1号」などの小道具、アニメの原画・動画、当時の書籍やポスターなどがズラリと並ぶ。さらに、縦3m×横15mの巨大スクリーンには、庵野さんが敬愛する映像作品が次々に映し出される。
 続くコーナーでは、宇部高や大阪芸大在学中に自主制作した映像やその資料を見ることができる。「ナカムライダー」「ウルトラマン」「DAICONFILM版 帰ってきたウルトラマン」などの実写映像や撮影に使用された小物、後にプロとなる面々とともに制作した「DAICON3オープニングアニメ」「DAICON4オープニングアニメ」などの映像や画コンテ・原画など。
 そして、アニメーターとして参加した「風の谷のナウシカ」「超時空要塞マクロス」、監督やプロデューサーを務めた「トップをねらえ!」「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」「(実写版)キューティーハニー」「シン・ゴジラ」などもさまざまな資料とともに紹介。庵野さん自身が脚本も手がけ、ほぼ宇部市で撮影された映画「式日」(2000年)のロケハン写真も展示されている。
 「エヴァンゲリオン新劇場版」4部作を紹介するコーナーでは、完結編における重要な舞台「第3村」の大きなミニチュアセットが中央で存在感を放つ。このミニチュアを使用して、さまざまなアングルが試行錯誤された。ここでは、同作に登場した県内の風景も紹介されている。
 さらに「シン・ウルトラマン」と制作中の「シン・仮面ライダー」の資料や、彼が立ち上げたATAC(特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構)についても紹介されている。
 観覧料は、一般1700円(前売1500円)、70歳以上・学生1500円(同1300円)で、18歳以下は無料。入場するには、セブンイレブン(チケットぴあ)での日時事前予約が必要だ。問い合わせは同館(TEL083-925-7788)へ。
 また、山口市中心商店街や湯田温泉街では、市外・県外から同展に訪れる人を歓迎しようと、バナーフラッグが掲げられている。さらに、JR新山口駅8番線ホームには「シン・ヤマグチ」と書かれた特別仕様の駅名表示看板が設置された。

▲山口市中心商店街に掲げられた歓迎フラッグ

© 株式会社サンデー山口