藤沢・江の島沖で発見の新種 「オトヒメクラゲ」と命名 新江ノ島水族館で展示 ウラシマクラゲと近縁

新江ノ島水族館などが発見した新種の「オトヒメクラゲ」(同館提供)

 新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸)は12日、江の島沖で新種のクラゲを発見し、「オトヒメクラゲ」と命名したと発表した。同日から同館で標本展示している。

 同館は2008年から21年にかけ、黒潮生物研究所(高知県大月町)、茨城県大洗水族館(同県大洗町)との共同調査で、江の島沖などで正体不明のクラゲ計16個体を採集し、形態観察とDNA分析による分類学的精査を行っていた。

 オトヒメクラゲは外見が近縁のウラシマクラゲに似ているが、触手は倍の8本ある。ウラシマクラゲよりもサイズが小さいことから、浦島伝説にちなみ乙姫の名を付けた。研究成果はスイスの学術雑誌「Animals」に掲載された。

 江の島沖では、昨年の「ワタボウシクラゲ」(ウラシマクラゲ科)に続く新種発見で、同館の担当者は「8本の触手を広げながら、ぴょこぴょこと踊るように泳ぐ姿がとても愛らしい。ウラシマクラゲ科は未解明なことが多く、引き続き調査、研究を行う」としている。

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