都農担い手 ツアーで確保 農作業報酬で滞在、交流も

ナシ園で農作業を手伝うサッカー選手(写真左)と交流するモニターツアー参加者

 都農町の一般社団法人ツノスポーツコミッション(TSC、石原英明代表理事)は、地方に憧れのある学生やフリーランスが農作業などの報酬で滞在費を賄いつつ、観光や町民との交流も体験できるツアーの開発に取り組んでいる。ゆくゆくは町内産業の労働力確保の一手としたい考えで、モニターツアーとして10日まで5日間、県外から若者3人を受け入れた。
 TSCには現在、町地域おこし協力隊が30人所属し、町内農家の要請に応じて農作業を手伝っている。だが収穫など繁忙期は人手が不足。そこで農作業の担い手を確保しようと、体験型ツアーの開発に乗り出した。
 ツアーを展開するには多くの人を町に呼び込む方法を確立する必要があり、旅行者が農家の戦力になり得るのかという疑問も指摘される。こうした課題解消の糸口をつかむために今回実施したモニターツアーには、旅行者と事業者をつなぐマッチングアプリで募った20代の男女3人が参加。8日はナシ園を訪ね、協力隊として農作業を手伝うサッカー選手らと交流し、摘果作業を体験した。役場や企業訪問、サッカーの見学も行った。
 熊本市の大学4年瀬尾さくらさん(21)は「仕事や交流などの経験に価値がある。私が『まちおこしとサッカー』というテーマに引かれて名前も知らない都農に来たように、旅行者は興味が湧けば知らない地域でも訪ねる」と話した。

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