急増する特殊詐欺。特に被害を受けやすい高齢女性を守るための新たな取り組みです。「同じ立場の女性が狙われているのに、黙っているわけにはいかない」。女性の、女性による女性のための見回り活動がスタートしました。
<訪問の様子>
「おはようございます」
藤枝市内の高齢者の住む住宅を訪問する女性。目的は特殊詐欺の被害防止です。
<藤枝警察署 地域安全推進委員 中川美枝子さん(70)>
「被害が65歳以上の人が多いもんだから、しっかりしてるから大丈夫だと思うけど」
藤枝警察署がスタートさせたのは、地元の女性による特殊詐欺への警戒の呼びかけです。
静岡県警の調査では、2021年、特殊詐欺の被害者のうち、約7割が65歳以上の女性でした。県警は高齢女性を守るため、各警察署ごとに詐欺電話の多い地域などを取り締まりの重点地域に設定、警戒を強めています。
しかし、それ以外の地域でも、もちろん詐欺グループに狙われる危険性があります。
<訪問の様子>
「でも、しっかりしてる人の方がだまされやすいから」
世間話など共通の話題が多い女性が女性の家を回ることで、警察の呼びかけとは違う共感を呼んで、自分事に置き換えてもらうのが警察側の狙いです。
<藤枝警察署生活安全課 山田宗生警部補>
「警察官が訪問すると構えてしまう方が多い。身近な人が訪問することで、日常から呼びかけることができるので身近に感じてもらうことができる」
静岡県内の特殊詐欺を巡っては、2021年の同じ時期に比べ、被害件数、被害額とも大幅に上回っていて、県警は少しでも被害を減らすため対策をさらに強化していく方針です。