怪我や病気で「若くして引退を余儀なくされた選手」10名

サッカー選手は身体が資本であり、もし怪我や病気に侵されればキャリアの危機となってしまう職業である。

今回はそんな「病気や怪我によって若くしての引退を余儀なくされてしまった」選手たちを特集する。

ジャック・ウィルシャー

アーセナルで若くしてデビューを果たし、インパクトを残し、世代最高クラスの天才と評価されていたジャック・ウィルシャー。2022年7月に30歳で現役を引退することを発表した。

「私は最高レベルでプレーしてきた。常に野心を抱いてきたし、このような立場にいることを想定していなかった。しかし親しい人と話し合って振り返り、今が引退に適切な時期であることがわかった」と話し、スパイクを脱いでいる。

セルヒオ・アグエロ

アグエロはマンチェスター・シティでプレーしている間に多くのトロフィーを獲得し、プレミアリーグで最高のストライカーの一人になった。ただ2021年夏には契約が満了となり、親友リオネル・メッシとともにプレーするためにバルセロナへと移籍する。

ところがリオネル・メッシは入れ替わるように退団し、そして彼は試合中に不快感を覚えたことにより心臓の病気が発覚。残念ながらその影響によって33歳で現役を引退しなければならなくなった。

スチュワート・ホールデン

アメリカの若きMFとして若くして話題を集め、北京オリンピックでもプレーしたホールデン。ヒューストン・ダイナモで活躍を見せたあとにボルトン・ワンダラーズへと引き抜かれ、プレミアリーグへと進出した。

ところがレギュラーとして好調なパフォーマンスを見せていた2010-11シーズンにジョニー・エヴァンズから破壊的なタックルを受けたことによって大怪我を負った。それから深刻な怪我を繰り返すようになり、29歳の若さで引退することになった。

ジュスト・フォンテーヌ

レイモン・コパと並ぶフランスのレジェンドであり、歴史上屈指の点取り屋である。1958年のワールドカップでなんと13ゴールを決めて得点王になり、同じ年にバロンドール投票で3位に入っている。

ところが、そのキャリアは結局怪我のために断たれてしまった。28歳と11ヶ月というタイミングで早くもスパイクを脱ぐことになり、指導者への転身を決意した。

マイケル・ジョンソン

マンチェスター・シティのサポーターであれば、スティーヴン・アイルランドと並んで忘れられない「消えた天才」であろう。10代でトップチームに引き上げられ、すぐに出番を獲得。そのプレーは希望そのものであった。

しかしながら怪我に加えてメンタルヘルスの問題を抱えたことからそのキャリアは急速に衰退。10代で36試合に出場したものの、20代になってからは11試合しかプレーできず、24歳という若さで現役を引退した。現在はマンチェスターで不動産業を行っている。

ピエルルイジ・カシラギ

イタリア代表で44試合に出場して18ゴールを決めたストライカー。ところが、そのキャリアは29歳という若さで幕を閉じることを余儀なくされた。

イタリア・セリエAで活躍した後、1998年にチェルシーへと移籍。イングランド・プレミアリーグを戦った彼はウェストハム戦でシャカ・ヒスロップと激しく衝突し、靭帯を損傷する大怪我を負う。手術を受けるも回復せず、それ以降全くプレーすることができなかった。

ライアン・メイソン

トッテナム・ホットスパーの下部組織が排出した有望なボランチの一人であったライアン・メイソン。数多くのクラブへとローン移籍を経験した後にトップチームでレギュラーを獲得し、2016年にはハル・シティへと完全移籍した。

しかしながらチェルシー戦でギャリー・ケイヒルと衝突した際、頭蓋骨を大きく骨折するという致命的な怪我を負ってしまった。一時は麻痺を抱えるような状況で、その頭には28本のネジと45本のホチキス針が埋め込まれた。日常生活には戻れたものの、その怪我によるリスクを懸念し、2017年に26歳で現役を引退している。現在はトッテナムのコーチ。

ファブリス・ムアンバ

アーセナルの下部組織でプレーしたあと、バーミンガム・シティへ移籍してプロデビュー。その後ボルトン・ワンダラーズへと引き抜かれてレギュラーを獲得し、プレミアリーグでも屈指の若手ボランチに成長した。

ところが2012年のFAカップ、トッテナムとの試合中に突然意識を失って倒れ、心肺停止状態に。ピッチ内での懸命の対処、そして病院での治療の末に奇跡的な回復を見せたが、プレーに復帰することは叶わず現役を離れた。現在はコーチとしてボルトン・ワンダラーズのアカデミーを担当している。

セバスティアン・ダイスラー

ドイツのサッカーを変えるであろうと言われた「ファンタジスタ」ダイスラー。ボルシアMGでデビューし、1999年にヘルタ・ベルリンへと移籍。そして2002年にバイエルン・ミュンヘンへと引き抜かれることになった。

22歳だったダイスラーは、ドイツ最高峰の舞台で怪我に苦しめられ、さらにそのプレッシャーに耐えることができずうつ病を発症。一時は復活も見せたものの、負傷の再発で2006年のワールドカップ出場を逃し、2007年1月に突如現役引退を発表。その時まだ27歳という若さだった。

サム・ハッチンソン

最後は非常に珍しい例としてサム・ハッチンソン。チェルシーの下部組織で育った彼は17歳でトップチームにデビュー。非常に期待される選手であったが、怪我を繰り返してしまったために2010年8月に現役引退を発表する。

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ところが1年半後、プレーを止めたことによって膝が飛躍的に回復したため、チェルシーと再契約を結んで復帰。2014年に移籍したシェフィールド・ウェンズデイでレギュラーを掴み、皮肉にも「怪我を恐れないハードタックラー」としてそのポジションを確立した。

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