聖マリアンナ医科大病院(川崎市宮前区)の医師らが16、17の両日、東京都中央区銀座の美容室「Rei銀座」で、女子少年院「愛光女子学園」(東京都狛江市)で暮らす少女たちのアート展を初開催する。企画した同病院統合失調症治療センターの安藤久美子センター長は「過酷な家庭環境で育ち、虐待を受けた少女たちも少なくない。純粋な姿に触れ、社会復帰を目指していることを知ってほしい」と願う。
安藤さんは医師として患者に向き合い、嘱託医として複数の少年院に15年以上勤め、医療支援を行う。ネグレクト(育児放棄)などの環境で育ち、虐待を打ち明けたり、衝動的に事件を起こしてふさぎ込んだりした子たちに接した。相談できる親や信頼できる大人に恵まれず、不良仲間に出会って非行に至る例がほとんどだった。
院に入るまでには本人だけでなく、周辺の大人や劣悪な成育環境などの要因も多く、矯正教育を受けても「非行少女」のレッテルを貼られ、社会復帰が容易ではないこともある。親元に帰れない場合は施設に入ることもあるが、数が少なく、関東で育った少女が九州の施設に入ることもある。