19人の知的障害者が殺害された津久井やまゆり園事件から間もなく6年。事件が起きた相模原市は共生社会を実現するため、職員を対象にした「学びの場」を設けている。今年も11日に津久井やまゆり園の園長らを招いた研修会を行い、地域生活移行や意思決定支援について理解を深めた。
市は事件が起きた2016年以降、毎年、障害者差別解消をテーマにした研修を実施している。今年は津久井やまゆり園の永井清光園長が初めて登壇し「事件が防げなかったことは犠牲者に大変申し訳なく思っている。利用者をしっかり支援していくことが使命だと思っている」と語った。
その上で、永井園長は今後の取り組みの大きな柱として「地域生活移行」と「意思決定支援」を掲げた。
国は施設からグループホーム(GH)などに移る地域生活移行を掲げ、同園も5カ所でGHを運営し、29人が入所している。やまゆり園は利用者全員の地域生活移行を目指し、外部の通所事業所で作業体験したり、自治会活動へ参加したりしながら、地域との交流を深めているという。