高校野球 プロ注目の古川雄大(佐伯鶴城3年)、本領発揮で今大会最強打者を目指す

全国高校野球選手権大分大会

2回戦 7月12日 別大興産スタジアム

国際情報 000 002 00 |2

佐伯鶴城 023 020 11×|9(8回コールド)

4月に赴任した渡辺正雄監督が「闘魂を注入した」佐伯鶴城は、投打がかみ合い盤石の状態で初戦を制した。渡辺監督が最初にテコ入れしたのは投手陣の整備。ピッチャー中心の守りのチームづくりで失点を抑えることに力点を置いた。1回戦を17安打13得点で勝ち上がった大分国際情報との対戦は、立花羽瑠、日高義己の2年生ピッチャーが継投で2失点に抑えた。打線は4番・古川雄大のチーム初安打を皮切りに、相手のミスを逃さず得点を重ねて勝利した。

この日、注目を集めたのは古川。バックネット裏には、複数のプロ野球のスカウトが集まり、走攻守そろったスラッガーを見守った。第1打席では中前打を放ち、50メートル6秒フラットの自慢の俊足を生かし二塁打とした。「足には自信がある。外野まで抜ければ二塁まで行くつもりだった」としてやったり。

チーム初安打を放ち、口火を切った古川雄大

186cm、96kgの恵まれた体格に、高校通算20本塁打のパンチ力、遠投は100メートルを超える強肩を備える。昭和中学時代は硬式野球チームの「佐伯ボーイズ」に所属しながら、陸上部と両立。3年生で全日本中学陸上競技選手権大会にリレー選手として出場した実績がある。初戦は見せ場こそ少なかったが、よどみない動きとスピード、打球速度とヘッドスピードで他との違いを見せた。

渡辺監督は「陸上選手のようなバネがあり、筋力がある。大きなパーツを動かすので筋肉系のけがをしないように抑えて練習してきたが、今大会は全てを解放させる。ここから(コンディションが)上がるはず」。これまでブレーキを踏みながら調整してきたが、ここからはアクセル全開だ。「今大会最高のバッターになって甲子園に行く」(古川)とみなぎる自信が、ただ者ではない雰囲気を漂わせる。

プロスカウトの熱視線を浴びる

(柚野真也)

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