ジャパンエキスポがパリで3年ぶりに開催! 日本文化を世界にPR。今回は大工さんも出張?

 日本文化の総合博覧会「ジャパンエキスポ」が、7月14日から17日の4日間にわたって、フランスのパリ、ノール・ヴィルパント展示会場で開催される。同博覧会は、日本のポップカルチャーの代名詞ともいえるマンガやアニメ、ビデオゲームなどをはじめ、武道や伝統芸能、J-POPから伝統音楽にいたるまで、あらゆる日本文化を詰め込んだ一大イベントだ。4日間の総動員数は25万人を超えるといわれ、コロナ禍の影響で国境を越えた交流がままならない昨今、2025年に大阪・関西万博を控えた今はとくに、日本文化への関心を高めるためにも非常に重要な祭典となっている。

 また、一般来場者向けの展示だけではなく、将来のビジネスに向けた橋渡しをするのも「ジャパンエキスポ」の大きな役割の一つだ。同展示会場には、プロパス取得者のみしか利用できないビジネス専用エリアが設けられ、「BtoBセンター」「グリーンルーム」「プレスデスク」「インタビュールーム」などが設置されている。

 毎回、多くの業界関係者が視察に訪れており、情報発信はもちろん、将来の現地パートナーをブースに招待して商談したり、交流を深める企業も増えており、日本製品が海外展開を図る上で、まず進出すべき催事の一つであることは間違いないだろう。

 コロナ禍の影響で2回の延期を経て、約3年振りの開催となった今回のジャパンエキスポでは、14年間、エキスポの顔として活躍したロゴマークが、富士山のイラストに伝統的な吉祥文様の青海波があしらわれた新たなロゴマークに刷新されたのをはじめ、全世界マンガアプリの中で販売金額1位のプラットフォームを誇るKakaopiccomaを運営する欧州法人のピッコマヨーロッパが、ジャパンエキスポ開催史上初のオフィシャルスポンサーに就任するなど、新たなスタートとして開催前から盛り上がりを見せている。ちなみにピッコマ社は今年3月にピッコマ・フランス版をローンチしており、フランスを拠点にヨーロッパ市場でのマンガコンテンツの拡大を目指しており、今後の動向が注目されている。

 個人や企業合わせて798もの出展ブースが軒を連ねるジャパンエキスポの会場は毎回、まさに日本文化の縮図のような雰囲気だが、今回、その中でも一際、海外の来場者の興味をそそりそうな出展の一つに日本の伝統技術「カンナ削り」の実演がある。これは、日本の木造住宅会社のアキュラホームがジェトロパリが出展するコンビニの一角で今回初めて開催するもので、日本を代表する棟梁が実際に現地に赴き、木を薄くスライスする「カンナ削り」を披露する。来場者は実際にカンナ削りを体験することができる上、スライスした木材を使用して「木のストロー」の手づくり体験もできるという。同社が世界で初めて量産に成功した環境に優しい「木のストロー」は、ドバイ万博や G20 などでも採用され、海外のVIPからも、プラスチックごみ問題と間伐材の有効活用問題の両問題に一石を投じるものとして、大きな称賛を得ている。今回の出展や実演、体験によって、環境やSDGsへの日本文化の関わり方や考え方を海外の人たちにも知ってもらえる良い機会になるのではないだろうか。

 日本では6月10日から、条件付きではあるものの外国人観光客の受け入れが緩和されている。また、日本から海外への渡航に関しても、多くの国で受け入れの再開が始まっている。ジャパンエキスポで日本文化に興味を持つ人が増え、アフターコロナにはまた以前のように多くの海外観光客で賑わうことを願いたい。(編集担当:藤原伊織)

海外の来場者の興味をそそりそうな出展の一つに日本の伝統技術「カンナ削り」の実演がある

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