コロナ感染急拡大 行動制限や「旅行支援」は?

東京都内では7月12日、新型コロナウイルスの感染者が新たに1万1511人確認されました。1日に1万人を超えるのは3月16日以来4カ月ぶりのことで、前週と比べても2倍以上に増加しています。

感染者の急増で病床使用率も急激に上がっています。都内の病床使用率は29.8%ですが、12日夕方までは「40%超」となっていました。その後、東京都は病床数を2000床ほど増やしたため、29.8%となっています。重症病床使用率も10.2%で、前週と比べると一気に増加しています。

急激な感染拡大を受け、この日開かれた全国知事会で東京都の小池知事は、都として国に求める要望案を示しました。小池知事が提案したのは3つのポイントです。1点目は「オミクロン株を踏まえた対応方針の明確化」です。具体的には、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言を適用する基準・終了する基準の明確化を求めています。2点目は「ワクチンについて、4回目接種の対象を拡大すべき」とし、医療提供体制を確保するため、医療従事者や介護従事者なども対象に加えるべきと指摘しています。そして3点目が「コロナ対策の経費は全額、国の責任で確保すべき」という点を主張しました。

小池知事が国に基準の明確化を求めている重点措置などを巡っては、国側からも発言が相次いでいます。前日の11日に岸田総理大臣と面会した政府分科会の尾身茂会長は「第7波に入った」という認識を示した上で、感染対策やワクチン接種などの「できることをみんなでやれば、行動制限は今の段階では必要ない」という考えを示しました。また、尾身会長は「岸田総理もそういう意向だと感じた」と話しました。さらに、コロナ対策を担当する山際経済再生担当大臣も12日、「これまでのような制限は今の段階では考えていない」と言及しています。

一方で、政府が7月前半からの開始を予定していた「全国旅行支援」について、斉藤国土国通大臣は12日の閣議後会見で「延期するかどうか、厚労省の専門家会議を踏まえ、今週中に最終判断する」方針を示しました。「全国旅行支援」を延期する場合は、7月15日で期限が切れる「県民割」への補助を継続することを検討しています。

夏休みシーズン直前に起きている感染の急拡大に、これまでの経験を踏まえた迅速な意思決定が求められています。

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