川崎市、昨年に続き環境債100億円を8月発行へ 温暖化対策推進

橘処理センターの完成予想図(川崎市提供)

 川崎市は昨年に続き、8月にグリーンボンド(環境債)100億円を発行すると発表した。環境改善効果のある資金使途に限定して発行する債券で、2050年までの二酸化炭素排出実質ゼロに向けた取り組みの一環となる。市は「市民や事業者に、温暖化対策に『自分ごと』として取り組む意識を高めてもらい、二酸化炭素排出削減につなげたい」としている。

 昨年8月、市は全国政令市で初のグリーンボンド50億円を発行した。今年8月に発行するグリーンボンドは10年満期一括償還で、利率は未定。

 市はグリーンボンドで調達した資金を、事業費増加が見込まれる廃棄物処理施設・橘処理センター(高津区)の整備や、市役所本庁舎建て替え事業などに活用する。各施設では廃棄物由来のバイオマス発電、温室効果ガス削減などに取り組む。多摩区などを流れる五反田川放水路整備事業にも充てる。

 市によると、グリーンボンドは17年から東京都、20年には県や長野県も発行している。市資金課の担当者は「温暖化に目を向けてもらう効果につながり、他都市も続いてほしい」と話している。

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