各大学オープンキャンパスに注力 長崎県外送迎バス、交通費補助も

高校生に大学の魅力を知ってもらおうと行われるオープンキャンパス=長崎市東山手町、活水女子大東山手キャンパス

 大学が高校生や保護者に学内を開放し、授業内容や学生生活を知ってもらうオープンキャンパスは、7~8月に開催のピークを迎える。18歳人口が年々減る中、各校は入学志願者を増やす貴重な機会として準備に注力する。長崎県内8大学2短大の最近のオープンキャンパス事情を追った。
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 7月3日、県内のトップを切って開かれた活水女子大(長崎市)のオープンキャンパス。事前申し込みをした85人が在学生の案内で模擬授業を受けたり施設を見学したりした。大学側にとっては、ネットやパンフレットでは分からない魅力や雰囲気をアピールする好機。参加者は興味深そうに説明を聞いていた。
 ただし、その運営は新型コロナ流行前とはかなり変わった。ほとんどの大学が、参加は完全予約制。目玉の一つだった学生食堂利用にも慎重で、昼食を挟まない日程に変えたり、学食メニューではなく無料弁当を提供したりする私大もある。
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 大学・短大の経営を成り立たせるためには、志願者確保が不可欠。各校は「オープンキャンパスで興味を持ってくれた高校生は志願してくれている」と口をそろえ、県外を含め幅広い地域から足を運んでもらうための工夫を重ねる。
 7校は無料の送迎バスを運行する。複数コースの長距離バスを走らせる大学もある。代表例は長崎国際大(佐世保市)で、県内4コースに加え「福岡」「熊本」「大分・別府」などの県外5コースも運行。「コストはかかるが、学生に来てもらうための募集広報費用の一部。10年以上続けている」と担当者。
 交通費サポート制度があるのは私立5校。県外と離島の参加者に一律5千円を補助したり、距離に応じ額に差を設けたり。県外の高校生に最大3万円を補助するケースもある。
 鎮西学院大(諫早市)は、“地元”の諫早、大村両市の高校生にも千円を補助する。それ以外の県内本土で1500円、県内離島で5千円。ただし「途中退出の場合は対象外」とウェブサイトに明記している。


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