【高校野球神奈川大会】桐蔭学園1、2番コンビが連続アーチ 浮かれず自分の役割見失わず

【桐蔭学園-伊勢原】

◆桐蔭学園13-0伊勢原(5回コールド)
 桐蔭学園の1、2番コンビが連続アーチ。試合の流れを一気につかんだ。

 2-0で迎えた二回1死一、二塁。ストレートを捉えた1番・相沢の打球は右中間へ。「途中まで打球を見ていたんですが、そこからはコーチャーの指示で走った」と相沢。俊足を飛ばして楽々のホームイン。通算19本目ながら、初のランニング本塁打となった。

 続いたのは2番・上笹。変化球を強く引っ張ると、打球は高々と上がって右翼ポールギリギリを通過。こちらは公式戦初本塁打で、悠々とダイヤモンドを回りスタンドからの拍手を浴びた。

 試合後の2人の言葉がこのチームらしい。相沢は初回の右飛を振り返り、「1番はとにかく出塁して勢いをつけないといけないのに、それができなかった。ランニングホームランは結果」。上笹も「バントでもつなぎでも、状況に応じて何でも決めるのが自分の役割。結果ホームランになったのはうれしいですが、自分の打撃を見失わないようにしたい」。ともに喜びよりも課題が口から出た。

 横浜スタジアムでの公式戦には慣れている。片桐健一監督(48)は「春の県大会の続きのような感じで特別感なく迎えられた。(学校の)グラウンドと同じような風景が見えたのが一番良かった」と、チームの落ち着きを初戦の成果に上げた。実に23年ぶりの頂点を狙う夏。上笹は「優勝とかありますが、先を見ずに一試合一試合」。視線はすでに次の試合を向いていた。

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