東電旧役員に13兆円賠償命令 原発事故、津波対策怠る

東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟の判決後、東京地裁前で「株主勝利」などと書かれた紙を掲げ喜ぶ原告側弁護士や関係者=13日午後

 東京電力福島第1原発事故を巡り、東電の株主が旧経営陣5人に対し、津波対策を怠ったために会社に巨額の損害を与えたとして、東電へ総額22兆円を賠償するよう求めた株主代表訴訟の判決で、東京地裁は13日、うち4人に計13兆3210億円の支払いを命じた。旧経営陣の責任を認める初の司法判断。賠償額は国内の民事訴訟で最高とみられるが、現実的な回収は極めて困難と見込まれる。

 朝倉佳秀裁判長は、最低限の津波対策を速やかに実施するよう指示すべき取締役の注意義務を怠ったとして、事故との因果関係を認定。事故前の対応は「安全意識や責任感が根本的に欠如していた」と批判した。

東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟の判決で、東京地裁に向かう原告ら=13日午後、東京・霞が関
東京地裁、東京高裁などが入る裁判所合同庁舎
東京電力福島第1原発=3月

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