【高校野球神奈川選手権】山北・西見ツインズ、攻守でもり立て 「一戦必勝、全力で」と決意もうり二つ

【山北-伊志田】山北ベンチで試合を見守る、兄の西見尚仁朗(左)と弟の仁和=サーティーフォー相模原(石井 啓祐写す)

◆山北7-6伊志田
 5―6の六回2死一、三塁。マウンドの左右から同じ顔が歩み寄る。ファーストミットを手にする兄の西見尚仁朗と、相対する弟の仁和。逆転で初戦を突破した山北の中心には、さりげないしぐさが似通う一卵性双生児がいる。

 二回、仁和が三遊間を襲う鋭い打球を好捕すると、2点を追う三回には尚仁朗が反撃ののろしとなる適時二塁打。一丸となってもぎ取った白星に兄は「初戦でこういう勝ち方ができたのは良かった」と汗を拭った。

 そろって野球を始めたのは小学2年の頃。以来、競い合って力を伸ばしてきた。最後の夏は弟が主砲で兄は副主将。「尚仁朗は打つときはしっかり打ってくれる」と仁和が言えば、傍らの兄は「やるときはやってくれるので頼りにしている」とはにかみ顔だ。

 外見は担任やチームメートも間違えるほどにうり二つ。「弟は慎重、僕は人見知りですかね」。内面は似ているのかいないのか。でも、オフには一緒にゲームをしたりキャッチボールをしたりと、誰より濃密な時間を共有してきた。

 まずは第3シードとして意地を見せた。他校のマークは例年以上に厳しいが、「一戦必勝、全力で」と決意の言葉は異口同音。ちなみに2人の見分け方は、兄いわく「弟は顔が細くて僕は丸い」とのことだ。

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