希少「白いキクラゲ」人気 西都の元工業技術者生産

特製のハウスで白キクラゲの生産、研究に取り組んでいる黒木真二さん

 西都市三納の黒木真二さん(57)は工業技術者だった知識と経験を生かして独自開発した施設で希少な白いキクラゲを生産している。色や大きさから「これまでにない食材」として県内外で注目度を高めており、黒木さんは「地元でも知ってもらい西都の活性化に生かしてほしい」と話している。
 県外で自動車生産用の産業ロボットを作る技術者だったという黒木さん。40代で新たな人生として地元での農業を志し、県外の農場が生産していた白いキクラゲの珍しさに着目。農場を視察するなどして栽培のノウハウを身に付けた。
 虫が付かず、農薬も使わないで生で安全で食べられるようにすればより希少性が増すと考え、生産施設を独自に研究。ハウスを製造する会社と相談しながら完成させ、2019年秋から生産を始めた。
 黒木さんの作るキクラゲは白色という珍しさだけでなく、大きさとぷりぷりとした食感が特徴だ。通常で縦、横15~20センチ、厚さ10ミリあり、「ざぶとん」と呼ばれる大物になると30~40センチ、厚さ15ミリにもなる。
 従来にないものとして県内のみならず東京・銀座など都市圏の高級店の料理人にも口コミで拡散。フカヒレに代わる食材としてスープに使ったり、細く切って麺にしたり、和洋中さまざまな斬新な料理法で人気を高めているという。
 黒木さんは「西都の料理人にも味を知って活用してもらい、地域貢献につなげられるとうれしい」と話している。

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