「多様性について理解できる社会を」ミス・ティーン インターナショナル日本代表が世界の舞台で訴えたいこと=静岡・藤枝市

静岡県藤枝市に住む高校2年生が7月末に開かれる「ミス・ティーン インターナショナル」の世界大会に出場するためアメリカへ出発します。10代の女性に世界への舞台を提供するコンテストで彼女が訴えたいこととは…。

<鈴木陽菜さん>

「ミス・ティーン インターナショナル2022パン・パシフィック代表の鈴木陽菜です」

焼津市内の私立高校に通う鈴木陽菜さん。明るい性格で友達とアニメや漫画の話をするのが大好きな16歳です。

<2022日本大会での表彰>

「エントリーナンバー13陽菜さん。おめでとうございます」

陽菜さんは2月に行われた日本大会でグランプリに選ばれ、世界大会への切符を手にしました。

「ミス・ティーンインターナショナル」は社会貢献活動に取り組む10代の女性を支援するコンテストです。スピーチの審査で陽菜さんは、こう訴えました。

<鈴木陽菜さん>

「普通に生まれたかった。グレーゾーン(ごく軽度な発達障害)の弟は言い、母は泣きました。私が世界でグランプリをとったら発達障害について理解を求める活動をします。同じ環境の親子を救い、無限大の可能性を伝えるためです」

陽菜さんの弟、大夢さん14歳です。大夢さんは小学4年生の時に軽度の発達障害と診断を受けました。集団行動が苦手だった大夢さんは家族に支えられて学校に通っていましたが、やがて不登校になりました。

<鈴木陽菜さん>

「私もつらかったです。自分の弟がこんなに苦しんで部屋にこもっちゃって外に出られない状況を見てやっぱり苦しかったし、軽度、グレーの発達障害は見た目に表れないし、ちょっとできないことがあると『なんでできないんだ』と叱られてしまったりとか。確かにやればできる子もいると思うが、軽度の発達障害の人にとっては、やってもできないことも多くあって、根性論でなんとかなる問題でもない」

<弟・鈴木大夢さん>

「発達障害で苦しんでいる子たち、不登校の子たちはたくさんいると思うので、お姉ちゃんに発信してもらえてすごくうれしい」

お母さんも娘の活動を応援しています。

<母・鈴木仁美さん>

「やっぱり苦労も多かったので。本人も困っていることももちろんそうなんですけど、一生懸命育てている母親も周囲から理解されないと精神的なバランスがとれなくてたいへんな思いをしている。陽菜の活動がたくさんの人に勇気と希望を与えられれば本当に価値のあるものだと思うし、行動してくれることがうれしい」

発達障害や知的障害など、障がいのある子どもたちが通う放課後等デイサービスです。陽菜さんは高校入学後、ここで毎週、ボランティアをしています。弟の大夢さんの事を少しでも理解したいと思ったことがきっかけでした。

<鈴木陽菜さん>

「本当に楽しくてみんないい子だし、かわいいし、大好きです。ここで学んだことを世界に発信していけたらと思っています」

<スタジオプレアデス焼津 高森雄登さん>

「自分の家族を通して自分の家族だけではなく地域の方や知り合った人を幸せにしたいという気持ちがあふれていて、彼女を通してたくさんの人が福祉の分野に向かって来てほしい」

アメリカで行われる世界大会まであとわずか。練習にも力が入ります。

<鈴木陽菜さん>

「私たちの世代から変えていくのが大事だと思っていて、今、若い世代を変えることによってこれからの多様性について理解できる社会をつくっていくと思う」

それぞれの個性を受け入れる社会であってほしい。陽菜さんは家族から学んだ大切なことを世界の舞台で伝えます。

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