バッテリー上がりやすく高温路面でパンク…夏ドライブで起こりうるリスク、未然に防ぐためには

電力消費の多い夏はバッテリー上がりに注意を=福井県福井市のガソリンスタンド

 新型コロナウイルス禍3回目の夏。暑さが厳しさを増す中、日本自動車連盟(JAF)福井支部は「車で遠出の際は、特にバッテリー上がりとタイヤのパンクに注意を」と呼び掛け、長距離走行前はプロによる点検を勧めている。高温になる車内では、アルコール消毒液やスプレー缶などの取り扱いにも注意を払い、安全にドライブを楽しみたい。

 JAF福井支部事業係の義野敏久さん(30)によると、エアコンを使い電力消費が増える夏は、バッテリーが上がりやすくなる。タイヤは内部の空気圧が極端に低いと、高温の路面に接してタイヤのゴムが軟らかくなり、パンクの原因となるネジやクギなどの異物が刺さりやすくなる。

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 義野さんは「セルフ式のガソリンスタンドが増えたこともあり、定期的なチェックの機会が減っている」と指摘。「長距離走行の前はもちろん、1カ月に一度はガソリンスタンドで点検を受けるのが望ましい」と話す。

 コロナ禍で身近になったアルコール消毒液の取り扱いにも注意が必要だ。福井市消防局予防課の櫻谷祥平司令補(37)によると、消毒液に含まれるエタノールは液温が13度以上で可燃性ガスが発生する。高温の車内に放置すると、容器の噴射口などからガスが漏れ出す恐れがあり、密閉された車内にガスが充満することで、静電気のような小さな火花でも引火するケースもある。

 櫻谷司令補は「車内に容器を放置しない。放置した際は十分に換気し、喫煙など火気の使用を避けて」と呼び掛ける。ライターやスプレー缶も内部に可燃性のガス、液体が入っている。特に、スプレー缶は高温の車内に長時間置くと内圧が上がり、破裂する危険性がある。万が一放置してしまった場合は、容器を冷やすとともに、換気が終わるまで火気を使わない。

 義野さんは車内温度が上昇する夏の注意事項として▽たとえ短時間でも、絶対に子どもやペットを車内に置き去りにしない▽高温になるダッシュボードや金属部分は触らない-ことなどを挙げ、熱中症ややけどなど予期せぬ事態に陥らないよう注意を促している。

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