7月14日、2022年シーズンWRC世界ラリー選手権第7戦『ラリー・エストニア』が開幕。現地木曜の朝から行われたシェイクダウンで、TOYOTA GAZOO Racing WRTのエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトップタイムをマークした。
超高速グラベル(未舗装路)イベントであるラリー・エストニアの競技初日となった14日は弱い雨が落ちるなか、9時過ぎから全長6.23kmのテストステージ“アビサーレ”で競技前のセッションであるシェイクダウンが行われた。
雨で湿った路面コンディションで実施されたこのセッションでは4回目の走行で2分54秒0を記録したティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が、選手権首位を走るカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)のタイムを0.4秒上回って最速ドライバーになるかと思われた。
しかし、一度タルトゥのサービスパークに戻ったラッピが5回目の走行で暫定トップタイムをブレイク。2分53秒3というベストタイムをマークした。
「このようなコンディションなので、チャレンジングなラリーになると思う」とインタビューに応えたラッピ。
「何を期待していいのかは分からない。ウエットコンディションでのラリーは初めてだが、多くのサプライズがあると思う。僕たちはどのような状況なのか、どんな感じなのかを見る必要がある」
今戦が母国凱旋ラリーとなるオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)は、ラッピ、ヌービル、ロバンペラに次ぐ4番手となりトップのフィンランド人から1.7秒遅れた。タナクと同じく2分55秒台を記録したのは5番手のエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)で、タイムは2分55秒6だった。
その後方ではクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)と勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)が2分56秒7の同タイムで並び、ガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)、ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)、アドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)のMスポーツ・フォードWRT勢が最高峰クラスの後方を占めるかたちとなっている。
なお、7番手でシェイクダウンを終えた勝田は4走目の終盤、フィニッシュまで残り1kmの地点でコースオフを喫した。マシンがロールしフロントにダメージを負ったが、幸いにも勝田とアーロン・ジョンストンは無事であり、今夜のSS1に臨む予定だ。
勝田は「轍(わだち)が深くなったところでフロントが引っかかり、その後にリヤが大きくスライドしてそのまま右コーナで外側に膨れてロールしてしまいました」と状況を説明した。
「ラインを維持しようとしたものの、次のコーナーはかなりタイトでうまくいきませんでした。幸いなことに、木や固いものがなかったので今晩の(SS1)は大丈夫だと思います」と付け加えている。
WRC第7戦エストニアのSS1は現地20時半過ぎ(日本時間15日2時半過ぎ)から、サービスパーク近くに設定された全長1.66kmのステージでスーパーSSの形式で行われる。
■2022年WRC世界ラリー選手権第7戦ラリー・エストニア シェイクダウン結果
Pos. No. Driver Machine Gap
1 4 E.ラッピ トヨタGRヤリス・ラリー1 2’53.3
2 11 T.ヌービル ヒョンデi20 Nラリー1 +0.7
3 69 K.ロバンペラ トヨタGRヤリス・ラリー1 +1.1
4 8 O.タナク ヒョンデi20 Nラリー1 +1.7
5 33 E.エバンス トヨタGRヤリス・ラリー1 +2.3
6 2 O.ソルベルグ ヒョンデi20 Nラリー1 +2.8
7 18 勝田貴元 トヨタGRヤリス・ラリー1 +3.4
8 42 C.ブリーン フォード・プーマ・ラリー1 +3.4
9 44 G.グリーンスミス フォード・プーマ・ラリー1 +3.8
10 7 P-L.ルーベ フォード・プーマ・ラリー1 +4.0
11 16 A.フルモー フォード・プーマ・ラリー1 +5.3
※リザルトは編集部集計