先日30歳という若さで現役引退を表明したジャック・ウィルシャー。怪我に悩まされた天才がデビューしたのは2008年のことだった。
今回は『Planet Football』から「ウィルシャーと同時期にアーセナルでデビューした11名の選手たち」を紹介する。
アンドレイ・アルシャヴィン
現所属:引退 ゼニト経営陣
2008-09シーズンのインパクトといえば、冬のマーケットで途中加入したロシア代表FWのアンドレイ・アルシャヴィンだろう。イングランドでのキャリア全体では批判の対象になっているが、一瞬の煌きが素晴らしかった。
リヴァプール戦では今なお語り継がれるような1試合4ゴールを決め、アーセナルでのキャリアで公式戦31点を記録。1年半後にゼニト・サンクトペテルブルクへと貸し出され、そのまま退団となった。
2018年にカザフスタンの強豪カイラトでプレーしたのを最後に現役引退し、その後は2018年のワールドカップ招致に関与。その後はゼニトのディレクターに就任した。
アモリ・ビショフ
現所属:現役 コルマル所属
フランス出身でポルトガルの血を引く攻撃的MFは、若くしてドイツにわたってヴェルダー・ブレーメンでプレー。10代でUEFAカップにデビューし、ブンデスリーガに出場しないままアーセナルへと引き抜かれた。
ただその時点でも怪我が多いと言われていたこともあり、アーセン・ヴェンゲル監督は「彼の才能に賭けた」と発言。イングランドでの飛躍が期待されたものの、プレミアリーグでは2009年に1試合プレーしたのみ。2009年に退団することになった。
その後はドイツやポルトガルの下部リーグで長くプレーを続けており、昨年からはフランスの5部を戦うコルマルに所属している。
ルイ・フォンテ
現所属:現役 ファマリカン所属
2006年に16歳でスポルティング・リスボンのユースを離れ、アーセナルに引き抜かれていった選手。2009年まで所属していたが、プレーしたのはリーグカップの1試合のみだった。
クリスタル・パレスとヴィトーリア・セトゥバウに貸し出された後、2011年にはエスパニョールへ完全移籍。それからは本当に様々なクラブを渡り歩いており、ベンフィカ、ブラガ、フラム、リール、エストリウ、ベレネンセスなどに所属していた。
今年は夏にエストリウからファマリカンへと移籍している。
ギャヴィン・ホイト
現所属:現役 メイドストーン・ユナイテッド
9歳でアーセナルの下部組織に加入し、2007年にトップチームへと引き上げられたディフェンダーだ。U-18ではキャプテンを務めていた選手であり、多くの試合でベンチ入りしていたものの、意外にもプレミアでは1試合しか出ていない。
ワトフォードやブライトン、リンカーン・シティ、ウィンブルドンへのローンを経て2012年にダゲナム&レッドブリッジへと完全移籍。それからバーネット、イーストリー、そしてダゲナム&レッドブリッジへの復帰…と下部リーグで順調にキャリアを進めていた。
現在は6部に当たるナショナル・リーグ・サウスを戦うメイドストーン・ユナイテッドに所属しており、副キャプテンを務めている。
ヴィト・マンノーネ
現所属:フリーエージェント
2005年にアタランタのユースから加入したイタリア人ゴールキーパー。トップチームではマヌエル・アルムニアとウカシュ・ファビアニスキのバックアップとして3番手となっていたため、出場機会はそれほどなかったものの、2006年から2013年までに23試合でプレーしている。
退団してからはサンダーランドとレディングで1シーズンずつレギュラーを獲得し、ミネソタ・ユナイテッド(アメリカ)やエスビャウ(デンマーク)、モナコ(フランス)でもプレーしている。
今夏契約が満了になったためフリーエージェントの状態で、初めてイタリア・セリエAのクラブに加入するのではないかと伝えられている。
サミル・ナスリ
現所属:引退
この年代では屈指のスーパースターとなったフランス人司令塔。マルセイユでフィリップ・トルシエ監督によってデビューのチャンスを与えられ、10代にしてリーグアン最高クラスの選手に成長したあと、2008年にアーセナルへやってきた。
アーセナルでは127試合に出場して27ゴール16アシストを記録したが、突如マンチェスター・シティへの移籍を決断して物議を醸す。そしてアデバヨールやコロ・トゥレ、サニャ、クリシらがその後に続くことになった。
2016年に所属したセビージャ時代に静脈注射を行ったことからドーピングでの出場停止を受け、それからはトラブルを繰り返してプレーのチャンスがほとんど得られず。2021年に現役引退を表明し、今は食生活を楽しんでいるようだ。
フランシス・コクラン
現所属:現役 ビジャレアル所属
アーセナルではロリアン、フライブルク、チャールトン・アスレティックへとローン移籍を繰り返したが、その後トップチームでレギュラーを獲得することに成功。プレミアリーグで100試合以上に出場したフランス人ボランチだ。
ヴェンゲル監督時代の晩年には出場機会を失ってしまったものの、ラ・リーガのバレンシアへと移籍して復活。スペインでコパ・デル・レイの優勝に貢献し、その後ウナイ・エメリが率いるビジャレアルへと移籍している。
アーロン・ラムジー
現所属:現役 ユヴェントス所属
ジャック・ウィルシャーと同じように怪我に悩まされたガラスの天才。カーディフからアーセナルにやってきたウェールズ代表MFは、ロンドンでもヒーローの一人になった。
11年間で64ゴールを記録するなど中心的な選手として存在感を見せ、3回のFAカップ優勝に貢献。そして2019年に契約満了となり、イタリア・セリエAのユヴェントスへと挑戦することになった。
ただそれからはなかなか難しい状況となっており、昨季はグラスゴー・レンジャースへローン移籍。今夏の退団も噂されている。
ポール・ロジャーズ
現所属:フリーエージェント
プレミアリーグでは1試合も出場することがなかった下部組織出身の生え抜きディフェンダー。センターもサイドもこなせる選手だったが、プレシーズンやリーグカップで使われたのみであり、2009年に退団した。
その後はノーザンプトン・タウンやニューポート・カウンティ、ビラリキー・タウンなど下部リーグの様々なクラブでプレーし、セミプロ選手として長くキャリアを重ねた。
2019年にハーロウ・タウンを退団してからは選手として活動していないようだ。
ジェイ・シンプソン
現所属:フリーエージェント
ロンドン生まれであるがノリッジ・シティの下部組織からアーセナルにやってきたという選手。13歳でU-18の試合に出場していたという早熟のアタッカーで、3回のリーグカップ出場で2ゴールを決める活躍を見せている。
しかしながらプレミアリーグでは出場機会を与えられず、ミルウォール、WBA、QPRへ貸し出されたあとにハル・シティへと完全移籍。2部リーグではそこそこの活躍を見せていた。
その後はタイリーグの名門ブリーラム・ユナイテッドで平野甲斐らとともにプレー。そしてレイトン・オリエントやフィラデルフィア・ユニオン、ネア・サラミスと所属し、現在はフリーエージェントだ。
ミカエル・シルヴェストル
現所属:代理人
マンチェスター・ユナイテッドでアレックス・ファーガソン監督に信頼を受け、センターバックと左サイドバックを両方こなせるディフェンダーとして350試合以上に起用されたフランス代表選手。
2008年にはアーセナルへと移籍して驚きを与えたものの、アーセン・ヴェンゲル監督の下ではあまり活躍することができなかった。2年間で26試合に出場した後、ドイツのヴェルダー・ブレーメンへと移籍している。
インディアン・スーパーリーグのチェンナイインFCでプレーした後2014年に現役引退し、その後レンヌのスポーツディレクターを経てエージェント会社を立ち上げている。