保育にICT 業務負担を軽減、質向上へ 長崎市立6施設で導入

コドモンの管理画面のトップページ

 長崎市立の保育所・認定こども園6施設は本年度から、保育施設向け情報通信技術(ICT)システム「CoDMON(コドモン)」を導入した。保育士の事務作業負担を軽減し、保育士らが子どもと向き合う時間を増やすことで、保育業務の質向上につなげる狙い。九州の中核市6市で長崎市が初めて。
 同市は昨年度、業界トップの実績を誇るコドモン(東京)の保育ICTシステム導入を決定。負担が大きい指導案や日誌の作成、発育・健康記録などの事務作業をパソコンやタブレット端末で行い、本年度から各施設のクラウドサービスで一元管理。さらに、保護者のアプリ登録などを進め、準備が整った施設から運用を開始している。

保護者のアプリ画面

 同市魚の町の認定こども園長崎幼稚園では、全79世帯の保護者がアプリを登録し、今月から連絡網に活用。各クラスの日々の様子を共有したり、台風接近時の対応など緊急連絡も行ったりしている。これまで園内の掲示板に載せたり、電話やメールで連絡したりしていたが、伝達に手間暇がかかっていた。宅島佳也子園長は「既読が分かる機能もあり、周知しやすい。保護者からも便利だと喜ばれている」と早速、効果を実感している。
 情報保護の観点でもメリットがある。ホームページに掲載すると誰でも見ることができるが、コドモンは登録者しか閲覧できない。宅島園長は「子どもたちの写真なども安心して掲載できる」と評価する。
 今後、職員のさまざまな書類作成業務もコドモンを活用して省力化する予定。宅島園長は「一貫して管理することで資料の重複がなくなり、煩雑な書類処理が軽減されるはず」と期待を寄せる。
 市幼児課によると、民間施設へのICT化に対する補助事業も実施。担当者は「現時点で市内の7割の施設が導入している。今後もさらに増やしていきたい」としている。


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