九州は土砂災害などに厳重警戒 線状降水帯発生のおそれも 西日本~北日本は土曜日にかけて大雨警戒

15日(金)午後5時30分の雨の予想(ウェザーマップ)

 きょう15日は全国的に大気の状態が非常に不安定で、朝は九州南部で猛烈な雨が解析された。

 このあとも西日本から北日本では雷を伴った非常に激しい雨が降り、あす16日にかけて大雨になる所がありそうだ。

 特に九州では今夜からあす16日の午前中にかけて「線状降水帯」が発生するおそれがあり、命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まる可能性がある。

九州は今夜~あす午前中 線状降水帯発生のおそれ

15日(金)午前10時30分までの6時間解析雨量(ウェザーマップ)

 前線やそこに向かって流れ込む暖かく湿った空気の影響で、けさは九州南部に発達した雨雲がかかり、宮崎県では1時間に120ミリ以上の猛烈な雨が解析された。

 アメダスの地点では、宮崎県えびの市加久藤で5時3分までの1時間に94.0ミリ、小林市で5時31分までの1時間に80.5ミリの雨が観測され、いずれも観測史上最も多い雨量を記録している。

15日(金)午後3時と16日(土)午前0時の雨の予想(ウェザーマップ)

 このあとも九州では断続的に活発な雨雲がかかり、さらなる大雨になるおそれがある。

 特に今夜からあすの午前中にかけては線状降水帯が発生するおそれがあり、局地的に雨量がかなり多くなることが予想される。すでにこれまでの大雨で地盤が緩んでいる所や増水している川もあるため、土砂災害や河川の増水、氾濫、低地の浸水などに引き続き、厳重な警戒が必要だ

連休初日も続く不安定な天気

15日(金)~16日(土)の時系列予想(ウェザーマップ)

 きょうは全国的に大気の状態が非常に不安定となっている。九州だけでなく、東日本や東北でも雨雲がかかりやすく、激しい雨や雷雨になる所がありそうだ。 そのほかも不安定な天気で、晴れ間がでる所でも天気が急変するおそれがある。いつ、どこで雨雲がわいてもおかしくない状況なため、空模様の変化に注意してほしい。

15日(金)夕方と16日(土)昼過ぎの発雷確率(ウェザーマップ)

 この不安定な天気は、三連休スタートのあす16日(土)も続く見通し。 

 全国的に天気が変わりやすく、激しい雨や雷雨になる所もあるため、注意が必要だ。

予報用語における線状降水帯の定義

 次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域。(気象予報士・多胡安那

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