ブリーンが初日トップ。競技前にロールした勝田は7番手も、首位と0.9秒差/WRC第7戦エストニア

 WRC世界ラリー選手権の2022年シーズン第7戦『ラリー・エストニア』が7月14日に開幕した。開催地のエストニアでは同日朝からシェイクダウンが行われた後、20時半過ぎからタルトゥのショートステージでスーパーSSが行われ、Mスポーツ・フォードWRTのクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)がトップタイムをマーク。SS1を終えた時点での総合トップに立っている。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は首位から0.9秒差の7番手につけた。

 ウエットコンディションで行われたシェイクダウンから一転、ドライコンディションとなった14日夕方のSS1は、全長1.66kmのショートステージ“タルトゥ1”で争われた。前年とは進行方向が逆向きになった同ステージで最速タイムを記録したのはブリーンだった。

 アイルランド人ドライバーは1分38秒7というタイムをマークし、前戦ケニアと前年大会のウイナーでありドライバー選手権を独走しているカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)をコンマ1秒差で破り、ステージ優勝を飾った。

 ロバンペラの後方もタイムギャップは僅差となっており、総合3番手につけたエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)は首位と0.2秒差、4番手のティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が同じくコンマ3秒差で続いている。

 母国での凱旋イベントを戦うオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)はトップから0.5秒遅れて総合5番手に。シェイクダウン最速男となったエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は0.7秒差の総合6番手でSS1を終えた。

 シェイクダウンの4走目にコースアウトし、ロールしてしまった勝田は、メカニックの努力によって車両が修復され無事にSS1に登場。トップとコンマ9秒差、ラッピに次ぐ総合7番手につけた。
 
 8番手以降はMスポーツ勢が並び、ガス・グリーンスミス、オリバー・ソルベルグ、ピエール-ルイ・ルーベ(いずれもフォード・プーマ・ラリー1)と続くトップ10オーダーとなった。アドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)は、WRC2リーダーのヤリ・フッツネン(フォード・フィエスタ・ラリー2)に次ぐ総合12番手となっている。

 本格的な高速グラベル(未舗装路)ラリーがスタートする15日(金)のデイ2は、サービスパークが置かれているタルトゥの北側と南側で、4本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行する。計8本のステージの合計距離は139.18kmに上り、これは今大会最長。リエゾン(移動区間)を加えた1日の総走行距離は620.04kmとなる。

タルトゥで行われたセレモニアルスタートの様子
オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第7戦ラリー・エストニア
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第7戦ラリー・エストニア
ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第7戦ラリー・エストニア

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