事業所の2割が雇用調整 新型コロナで休業や時短

 和歌山県の調査に応じた県内事業所のうち2割が、2020年1月から21年7月末までの間に、新型コロナウイルスの影響で休業や労働時間の短縮など雇用調整をしたと回答したことが分かった。

 県が21年7月末時点の県内事業所の労働条件について調査した。無作為に抽出した2千事業所を対象とし、1278事業所から回答を得た。

 新型コロナの影響で雇用調整をした事業所は20.0%に当たる255事業所だった。

 「宿泊・飲食サービス業」では、49.4%の事業所が雇用調整をした。次いで、カラオケ業やスポーツクラブなどの「生活関連サービス・娯楽業」が多く43.8%だった。影響があった人数で見ると「製造業」が最も多い4026人で、「不動産業物品賃貸業」が1816人、「宿泊・飲食サービス業」が1707人などだった。

 方法は「休業・一時帰休」が73.3%、「労働時間の短縮」が47.1%、「新規採用の削減・中止」が10.6%、「解雇」3.5%、「雇い止め」2.7%、「希望退職の募集」2.4%などだった。

 副業や兼業を制度として認めている企業は20.5%だった。副業や兼業をしている人が多いのは「医療・福祉」で423人、「卸売・小売業」で215人など。理由は8割以上が「人材不足解消のため」と答えた。

 他社で勤務している人材を採用したことがあるのは「宿泊・飲食サービス業」が最も多い57.0%、次いで「医療・福祉」50.5%などだった。

■完全週休2日制 43.5%が採用

 休暇制度で、完全週休2日制を採用しているのが最も多い43.5%、次いで月2回週休2日制が11.7%、月3回週休2日制が8.9%など。年次有給休暇取得率は54.2%で、2年前の前回調査より4.6ポイント上昇した。

 育児休業制度を設けている事業所は83.4%で、取得率は女性90.0%、男性13.0%と、男性は依然低かった。介護休業制度がある事業所は76.7%。

 仕事と生活のバランスを取るための方法として、事業所のうち年次有給休暇の取得促進をしているのは87.0%、労働時間の削減に取り組んでいるのは56.6%、過重労働や精神的健康面などの相談窓口を設置しているのは55.7%、男性の育児休業の取得促進をしているのは24.5%だった。

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