前線や湿った空気などの影響で大気の状態が非常に不安定で、日本列島は梅雨のような天気が続いている。この不安定な天気は三連休中も続く見込みで、非常に激しい雨や雷雨になる所がありそうだ。特に15日(金)の夜から16日(土)の午前中にかけては、九州で「線状降水帯」が発生するおそれがあり、命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まる可能性がある。すでにこれまでの大雨で地盤が緩んでいる所があるため、引き続き、土砂災害や河川の増水、氾濫、低地の浸水などに厳重な警戒が必要だ。

16日(土)の天気

　連休初日のあす16日(土)も全国的に不安定な天気が続く。断続的に雨雲がかかり、雷を伴って非常に激しい雨の降る所がありそうだ。今の所、太平洋側ほど活発な雨雲がかかりやすいが、いつ、どこで雨雲が発達してもおかしくないため、各地で空模様の変化に注意が必要となる。一旦、雨が止んでも再び降りだすような空模様となるため、雨具は一日持ち歩いた方が良さそうだ。

17日(日)の天気

　連休中日の17日(日)は、西日本では雲が多めながら、晴れ間がありそうだ。東海や関東も多少、日の差す時間はあるものの、変わりやすい空模様となる見込み。午後は内陸部を中心に発雷確率が高く、にわか雨や雷雨がありそうだ。北陸や北日本も昼過ぎから夕方を中心に、局地的に激しい雨や雷雨になるおそれがある。落雷や突風、ひょうなどに注意が必要となる。

18日(月・祝)の天気

　連休最終日(18日・海の日)も安定して晴れる所は少なく、不安定な空模様が続く見通し。特に西日本では次第に雨の範囲が広がり、九州や中国、四国を中心に雨脚が強まるおそれがある。また、この日は北海道でも大気の状態が不安定になり、午後は東部を中心に発雷確率が高くなっている。急な雷雨や突風などに注意が必要だ。

東・北日本でも気温上昇

　連休中の気温は西日本では連日30℃以上の真夏日になる所が多くなりそうだ。　関東や北日本では後半ほど気温が高くなる傾向で、東京は最終日(18日・海の日)の最高気温が34℃予想と、猛暑日に迫る暑さとなる見込み。東海は連休2日目(17日)が特に気温が上がりやすく、岐阜では34℃、名古屋でも33℃まで上がる予想となっている。

【予報用語における線状降水帯の定義】

次々と発生する発達した雨雲（積乱雲）が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50～300km程度、幅20～50km程度の強い降水をともなう雨域。

(気象予報士・多胡安那)