新型コロナ第7波 「BA.5」への対策を! 医療現場・専門家に聞く

7つ目の波が広島県内にも…

RCC

医師
「確かに増えている。急に増えてきたという印象がある」

波は、どこまで高くなるのか?

RCC

きょうのテーマは、「県内でも第7波! 『BA.5』への対策を!」

7波は、あっという間にやってきた印象がありますが、帰省や旅行をどうすべきか、またまた、悩む人が多くなりそうです。感染再拡大の要因の1つとしてオミクロン株「BA.5」の流行が指摘されていますが、広島県内でも広がっています。

□ 三上内科医院 広島・南区

広島市内のクリニック。防護服姿の医師が、発熱を訴える患者の診察に向かっています。

RCC

医師と患者
― 熱がある? けさから?」
「きょうの朝、頭が痛いと思って、熱を測ったら熱があった」

― 何度くらいあった?
「37度5分」

こうした診察室での光景が再び、ひん繁に見られるようになってきました。

RCC

三上内科医院 三上裕一郎院長
「確かに増えている。先週の頭からだと思うが、急に増えてきたという印象がある。受ける感じとしては、第6波が始まったころの増えてきて嫌だなという感じがあった、あの頃と感覚としては似ている」

RCC

広島市医師会臨床検査センターのデータです。

RCC

医療機関を受診した人の陽性率は、6月21日時点で15%にとどまっていたのが、7月13日には37%と4割近くに上昇しています。

RCC

三上裕一郎院長
「感染力は強いと思う。感染経路 不明な人が多いので、なぜ、かかったのか、わからない。それは感染力の強さを示していると思うし、第6波のオミクロンと同じような傾向だと思う」

RCC

□ 河面内科医院 広島・中区

こちらのクリニックでも患者は急増していました。

RCC

河面院長は、「重症患者はいないものの、先月までの患者と比べ、症状に変化を感じている」としています。

RCC

河面内科医院 河面智之院長
― これまでと症状に違いは?
「前は消化器症状を全面に出す人、熱と。ちょっとのども痛いというところだったのが、今はのどの痛みとか、熱をちょっと強めに訴えているというイメージ」

RCC

感染再拡大の要因として指摘されているのが、オミクロン株「BA.5」の流行です。

RCC

県内でも置き換わりが進んでいます。先月中旬のゲノム解析では感染者はすべて「BA.2」でしたが、3週間後の先週には「BA.5」の割合が一気に増え、およそ26%を占めるまで広がっています。

広島大学 大学院 坂口剛正教授(ウイルス学)
「BA.5は、BA.2から分かれて出たウイルスだが、今のところ、言われているのはBA.2に比べて感染力が1.3倍とか、1.4倍とか広がりやすいということが特徴」

RCC

一方で、「BA.5」の重症化についてはー。

RCC

坂口剛正教授
「重症化するかどうかは情報がないが、これだけ広がっていて、あまり重症化するという話は聞かないから、それに関してはBA.2と一緒かもしれない」

RCC

14日時点で広島県内の重症患者は3人、重症病床の使用率は6.7%にとどまっています。ただ、やっかいなのは「BA.5」に対して、これまで打ったワクチンの効果が低くなっている点です。

RCC

坂口剛正教授
「少しワクチンが効きにくくなっている。BA.2よりもさらにBA.5の方が効きにくくなっているので、ワクチンを打った人でもかかってしまうことが起こり得る

RCC

「BA.5は非常に広がりやすいので、ちょっと今、コントロールできないというか、おそらくこれから新規の感染者がどんどん増えていくと思うので、これから8月に向けて、もう少し数が増えるのでは」

RCC

人の動きが活発になる夏休み、そして、お盆シーズン。結局、これまでの感染対策を維持する以外に対策はありません。

広島大学 大学院 坂口剛正教授
「対策としては、これまでやってきた感染防御。マスクとか、食事のときに気を付けるとか、各人がもう少し感染防御に気を付けることが、まず1つ。それから何よりもワクチンを打つと、重症化を防げるのは確かなので、まだワクチンを打ってない人、3回目を打ってない人、対象者で4回目を打つ人は、ワクチンを打っておくのが必要だと思う」

RCC

― 最前線の声でもやはりこれまで以上に感染力は強いと。加えて人の動きが活発になっていることやワクチンの効果が低下していることなど、感染が広がる条件が重なっています。急激な感染拡大は、また医療現場をひっ迫させて行動制限がかかる事態にもなりかねません。1人ひとりがあらためて感染防御を忘れず、気を付けていくことが重要です。

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