ホームテレビ女性アナウンサー・リレーコラム 「私の夏」 八幡美咲編

こんにちは。広島ホームテレビアナウンサーの八幡美咲です。HOME女性アナウンサーコラム、今回のテーマは「夏と言えば!」。

広島ホームテレビに入社して3年。私にとって夏と言えば、「高校野球」です。1年目は「甲子園への道」のナビゲーターとして、2年目からは「高校野球ダイジェスト番組」のMCを担当しました。

ホームテレビ入社当時は、「コールドゲーム」を本当に寒い日に行う試合だと勘違いしていた野球初心者の私ですが、今ではプライベートでも野球の試合を見に行き、試合結果に一喜一憂するほど、大好きになりました。それは、取材を通して知り合った球児たちの存在と高校野球を愛するファンの皆さんとの繋がりがあったからです。

3年目の今年。3年ぶりにマツダスタジアムで「第104回高校野球選手権大会開会式」が行われ、その模様をお伝えしました。今年の3年生は入学してからコロナ禍。初めてのマツダスタジアムでの開会式となりました。全体行進では涙をこらえる選手の姿も。その姿を見て、私も胸がいっぱいになりました。

開会式を担当する廣瀬アナウンサーと一緒に

開会式前に準備しているところです

振りかえってみると、1年目の私は野球に関しては完全ド素人。最初は取材もろくにできませんでした。その一幕がこちら。

八幡「難しい試合の入りだったと思うけど振り返ってどうでしたか?」
選手「ん~」

八幡「つらいことも沢山あった2年半だと思うけれど力になっていた言葉やできごとってなにかありますか?」
選手「元気がでる言葉ですか・・・」

選手の思いを引き出す質問ができず、さらに生放送では自分が伝えたいことが思うように伝えられず、番組後、泣きながら家に帰ったこともありました。(いや、ほぼ毎日泣きべそをかきながら帰っていました。笑) そこで、私は周りの記者やディレクターがどんな質問をしているのかノートに書き留めて、見様見真似で学びました。

そんな私が毎日欠かさずしたことは、

①県内の全校の試合に関するデータや特徴を事前にチェックする。
②取材する各試合のスコアをつける
③試合中、実況のように流れを心の中でつぶやく
④同じ球場の先輩アナの実況を「バーチャル高校野球」(WEB生配信中継)で聞く
⑤選手や監督、保護者の方から聞いた話をノートにまとめる
⑥他のアナウンサーや記者がどんな視点でどんな取材をしているのかをまとめる

スコアノートと野球まとめ資料です。選手たちの表情や声がけなど、気づきをメモしています

2年目の夏。さらなる過酷なスケジュールが襲ってきました。

午前6時 起床。その日の対戦チームについて、朝刊・ネットでチェックする
午前8時 「夏盛」の番組用の収録をする。
午前9時 第1試合開始。試合後、選手や監督、保護者の方たちに取材。
正午 第2試合開始。試合後、高校でラストミーテイング取材に同行。
午後6時 局に戻る。オンエアに向けてナレーション対応や話す内容を考える。
午後9時半 番組開始。
午後10時 番組終了。反省会。
午後11時 夜ご飯。
午前1時 就寝。

デジカメを持ってラストミーテイング取材@国泰寺高校

朝から夜まで野球漬けのスケジュールになると、本格的に夏が来たなと実感します。正直、このスケジュールでは、毎朝起きたとき胃が痛くなるほど、体力的に辛かったです。高校野球が始まって、身体が悲鳴を上げ全身に蕁麻疹がでたことも。まだまだ先輩アナのように素敵な言葉選びや流れるように野球の話ができるわけではありませんが、選手たちの思いをしっかり伝えられるアナウンサーになりたい、そんな思いで夏を走り抜けました。[
](https://bunshun.jp/articles/photo/54128?pn=3)

3年目の今年。取材やハードスケジュールに悪戦苦闘していた私も高校野球を楽しめるようになりました。今年はどんなチームになっているのか、去年2年生だった球児たちはどう成長しているのか、いつの間にか、球児たちの話を聞くことが楽しみで仕方なくなっていました。

7月11日。バルコムBMW野球場で行われた「基町」対「加計芸北」の試合。印象に残った選手をご紹介します。

曇り予報でしたが、試合前には晴れました!

野球部員はわずか11人。廃校の危機にある、「加計芸北」の野球部キャプテンの吉川桜佑選手。
「これまでたくさんの地域の方々が支えてくれた。登校するときに声をかけてくれて家族のように支えてくれた方も。今日は少しでも恩返しができるように地域の方々のために戦います。」と。
また、野球生活については、
「11人という少ない人数で、競争がうまれないことに不満を感じることはあった。そんな中で『あと何日』、『打率何割』と“具体的“な数字を持つことで、自分たち自身と戦うように意識した。」と話してくれました。
地域の方々の大きな期待を背負って戦った「加計芸北」。学校の歴史やチームメイトとの歴史をつなぐために、苦しい2年半を乗り越えた球児たち。今いる環境に感謝して、その中で自分に何ができるのか工夫しながら一生懸命ここまでやってきたのが伝わってきました。
「修行一生、勝負一瞬」。勝つ一瞬のために、後悔がないよう全力でやってきたからこそ、高校野球はこんなにも輝くのだなと思います。

毎日、たくさんのことを球児たちから学び、そのまっすぐな姿とひたむきな姿に心が震える日々を送っています。今年はどの高校が甲子園への切符を手にするのか。少しでも選手に寄り添っていけるように、私も全力で向き合おうと思います。今年も「高校野球」とともに私の夏がやってきました!

開会式のリハーサルの様子

広島ホームテレビでは、全会場82試合をLIVE配信しています。詳しくは「広島ホームテレビ、バーチャル高校野球」で検索してください。また、試合開催日は夜9時30分からホームテレビでの「高校野球特設サイト」でダイジェスト番組を生配信します。平日の夕方は5up!でも熱戦の模様をお伝えしていますよ♪ぜひ、ご覧ください。

下のURLからも「高校野球ダイジェスト2022」ご覧になることができます。

【公式】高校野球広島大会|速報サイト2022|HOME広島ホームテレビ (https://kokoyakyu.home-tv.co.jp/2022/)

次のアナウンサーコラム担当は、小嶋沙耶香アナウンサーです♪お楽しみに!

八幡美咲アナウンサー(広島ホームテレビアナウンサー)

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