奄美の森散策、8K映像で疑似体験 奄美大島世界遺産センター26日オープン 魅力と価値を発信

奄美大島世界遺産センター

 環境省は15日、「奄美・沖縄」世界自然遺産の情報発信や保全の普及活動の拠点施設「奄美大島世界遺産センター」(鹿児島県奄美市住用)の報道陣向け内覧会を開いた。立体模型や大型スクリーンに投影した8K映像で、森林散策を疑似体験できる。遺産登録1周年の26日にオープンする。

 霧深い高地に形成される「雲霧林」をはじめ、シイの林や渓流など島の森林環境を模型や映像で再現する。剥製などで島内で見られるアマミノクロウサギなど動植物135種を紹介。望遠鏡に見立てた観察スコープでのぞくと、解説動画が流れ、季節ごとに映像や鳥の鳴き声など音声が変わる。

 展示室入り口の壁面では、多様な生物が育まれる要因となった島の成り立ちをイラストで説明する。島在住の絵本作家ミロコマチコさんが手がけた。

 同省の山根篤大・国立公園保護管理企画官(32)は「島の森は道が険しく、毒蛇ハブもいて困難が多い。施設を活用し、実際に入れない人にも自然の魅力と価値を知ってほしい」と話した。

 26日午前10時から記念式典があり、一般入館は午後3時から。開館時間は午前9時〜午後5時。木曜休館。無料。施設は奄美マングローブパーク内の市有地に6月完成した。同省職員が常駐する事務室も設置する。

奄美大島の森林を再現した世界遺産センターの展示室=15日、奄美市住用
(別カット)奄美大島の森林を再現した世界遺産センターの展示室=15日、奄美市住用

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