「メダルを獲れたことはゴールではない」新潟医療福祉大学(新潟市北区)の水沼尚輝(なおき)選手が世界水泳選手権を報告

新潟医療福祉大学(新潟市北区)は15日、「第19回FINA世界水泳選手権ブダペスト大会」(6月開催)において銀メダルを獲得した、同学校職員で水泳部の水沼尚輝(なおき)選手の報告会を行った。水沼選手は大会の結果を報告するとともに、新潟医療福祉大学や水泳部をサポートしてくれた人などへの感謝の気持ちを述べた。

水沼選手は6月24日に行われた世界水泳選手権の男子100メートルバタフライ決勝において50秒94をマークし、同種目では日本史上初のメダル獲得となる銀メダルを獲得した。

世界水泳選手権の結果について水沼選手は、「(入学当初は)本当に運動ができず、何も出来ないような自分が、ここまで成長できるとは全く思っていなかった。でも、こうやってメダルを首から掛けて立っているというのは、間違いなく新潟医療福祉大学の皆さん、そして水泳部をサポートしてくださっている皆さんのおかげ。常に挑戦することを後押ししてくれて、それが原動力になった」と話した。

水沼選手は栃木県出身の25歳。高校を卒業後、2015年に新潟医療福祉大学に入学し、卒業後の2019年からは同大学の職員として所属している。2021年には、東京2020オリンピック競技大会競泳男子100メートルバタフライ出場し、準決勝進出の結果を残した。

今後の抱負について水沼選手は、「今回メダルを獲れたことはゴールではない。ここからどうやってメダルを連続して獲ることができるか、また後輩たちにもそういった経験をさせるためには何をしたらいいのかを考えて、世界水泳の経験を還元していくことが、大学にとっても大事になってくると思う。記録については、アジア記録(50秒39)を打破するために、水泳を続けていきたい」と話した。

報告会には、水泳部監督で日本代表コーチを務めた下山好充(よしみつ)監督と、健康スポーツ学科教員で日本代表トレーナーを務めた松浦由生子(ゆいこ)講師も登壇し、世界水泳選手権や水沼選手についてなどを話した。

下山監督は、「(水沼選手は)この新潟医療福祉大学でずっとトレーニングを積んでいる。ようやく世界で戦えるところまできた。その要因としては、この大学のいろいろな力を最大限に活用できたこと。スタッフの連携がうまくできたことと、大学で行ってきた研究の成果がうまく形として現れたと思っている。今後は、連携と研究が日本スポーツ界のロールモデルとなるよう、スポーツパフォーマンスの向上に努めていきたい」と話した。

また、トレーナーとして帯同した松浦講師は、大会までの水沼選手の体の変化やトレーニングについて、「昨年から関わらせていただいているが、水沼選手の体は大きくは変わっていない。ただし、水沼選手が圧倒的に優れているのが体幹部や大腰筋で、ボリュームがほかの選手と比べ物にならないくらい大きい。実際サポートを行っている上でも、体幹筋の安定性は非常に優れている。今回の世界水泳選手権においても、いい状態でレースに挑めたと思う」と話した。

今後水沼選手は、10月に開催される栃木国体の出場を予定している。自己ベスト更新を目指し、さらなるトレーニングを行っていく。

新潟医療福祉大学の水沼尚輝選手

(左から)新潟医療福祉大学水泳部の下山好充監督、水沼尚輝選手、松浦由生子講師

「第19回FINA世界水泳選手権ブダペスト大会 報告会」記者会見の様子

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