嘉手納元駐機場に格納庫 米軍計画 住宅地隣接、町が抗議

 【嘉手納】在沖米空軍が嘉手納基地内の元駐機場「パパループ」に、航空機に塗装などをする施設「防錆(ぼうせい)整備格納庫」の建設を計画していることが15日までに分かった。米側での予算承認後、2027年春の完成を予定する。同地区は国道58号や県道74号を挟んで民間住宅地に隣接する上、予定期間を超えて米軍機の一時使用が続いている。嘉手納町は「同地区の恒常使用につながりかねない」とし、格納庫建設の撤回を求めている。 嘉手納町によると米軍は、航空機のさびを除去するための施設と塗装用の施設の2棟を建設する。いずれも高さ30メートル。嘉手納基地滑走路の北側には既存の防錆整備格納庫があるが、E3早期警戒機など大型機に対応できないため、規模拡大してパパループに移設するという。既存施設のある場所での建て替えは高さ制限に抵触するため不可能という。

 嘉手納基地を運用する第18航空団は5月25日、基地隣接自治体に計画を説明した。嘉手納町は反対を表明し、7月14日には當山宏町長が沖縄防衛局などに計画撤回を求めた。當山町長は取材に「これ以上の負担を町民が負うことは許せない」と強調した。

 嘉手納町議会も建設中止を求める決議・意見書を19日に審議し、全会一致で可決する見通し。

 一方、在沖米空軍は琉球新報の取材に「(建物の)大きさを考慮すると、嘉手納町民が聞く騒音が減少すると期待される」と回答し、格納庫が防音壁の役割を果たすことも示唆した。

  (名嘉一心、塚崎昇平)

© 株式会社琉球新報社