新型コロナ 現状なら8月2000人超…長崎大が予測「接触機会2割減を」

本県の陽性報告数と今後の予測

 長崎大は15日、新型コロナウイルス感染者数の県内の今後の流行予測を公表した。接触機会を減らさなければ8月上旬に2千人を超えるが、接触を2割減らせれば7月20日ごろに約千人に達するものの、その後は減少に転じると推計を明かした。会見した同大熱帯医学研究所の有吉紅也教授は「感染者数がどうかというより、医療逼迫(ひっぱく)を起こさないことが重要」と強調。ただ、このまま拡大が続くと「逼迫が近づく」と危機感を示した。

医療逼迫を防ぐために「接触機会を2割以上減らしてほしい」と話す有吉教授=長崎市坂本1丁目、長崎大坂本キャンパス

 解析した同研究所疫学検討班の有吉教授と砂原俊彦助教、長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授が会見した。
 シミュレーションによると、現状維持なら8月20日ごろをピークに最大3500人に達する。一方、7月16日以降、接触3割減なら7月20日、2割減なら同22日の約千人をピークに減少に転じる。1割減にとどまると8月下旬まで増え続け、最大1400人台に達すると予測した。
 急激な感染拡大について同検討班は、ワクチンや自然感染による免疫効果の減衰に加え、感染が広がりやすいとされるオミクロン株の派生型「BA・5」の出現を挙げ、「7月以降には(流行)第7波が到来している」としている。
 泉川教授は「入院患者の8割が60歳以上」と説明。長崎医療圏の病床使用率が実質100%を超えた昨春の流行第4波と比較し、入院患者の増加は「それ以上の勢い」と危惧を示した。感染予防対策については「人から強制されるのではなく、個々で判断してほしい。100かゼロかではなく、できることから始めてほしい」と、接触機会の減少やワクチン接種を要請した。


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