V長崎、3週連続上位対決 J1昇格争い 大きなヤマ場

8戦負けなしのV長崎。上位対決に勝って昇格争いに踏みとどまりたい=トラスタ

 J1昇格を狙うV・ファーレン長崎は、17日から3週連続で上位との直接対決に臨む。現在、リーグ戦8試合負けなしで5位につけている中、ここで勝ち越せれば自動昇格(2位以内)に望みをつなぎ、逆に負け越せばプレーオフ圏内(6位以内)から後退してしまう可能性も。終盤に差しかかってきた2022年シーズン。昇格争いの大きなヤマ場となる。

■ 勝ち越し必須

J2勝敗表

 17日の第27節は6位町田戦、23日の第28節は3位仙台戦とアウェーが2試合続き、30日の第29節は首位新潟をホームに迎える。1巡目は町田にこそ勝ったものの、仙台と新潟には敗れ、現在2チームとの勝ち点差は大きく広がっている。差を詰めたいV長崎にとっては勝ち点3の意味がこれまで以上に大きい「6ポイントゲーム」の連続。三つどもえの首位争いを繰り広げる仙台や新潟にとっても絶対に落とせない一戦で、酷暑の激闘が予想される。
 V長崎は序盤に出遅れたが、5月29日の第19節からは4勝4分けの負けなしと好調。うち4試合が無失点と堅守をベースに戦い、6月上旬に監督交代が発表された中でも、崩れずに順位を11位から5位まで浮上させた。全42試合のJ2リーグも、今回の3試合が終われば残り13試合となる。負けなしを維持し、かつ勝利数を増やして上位にプレッシャーをかけておきたい。

■ カリーレ采配

攻撃的なサッカーを掲げるV長崎のカリーレ監督=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 自動昇格圏までの勝ち点差11から逆転昇格するためにはカリーレ新監督の手腕がカギを握る。
 V長崎は失点数がリーグ3番目に少ないが、得点数はリーグ中位。6月下旬に就任したブラジル人指揮官は早速、より点を取れるスタイルへの戦術変更に着手した。
 フォーメーションを従来の「4-4-2」から「4-2-3-1」に改め、新たに設けたトップ下のポジションに加藤大、植中、奥田ら複数選手を起用。試行錯誤の中でも、指揮を執った3試合すべてで得点を記録している。
 短いパスをつなぎながら全員で押し上げ、人数をかけてゴール前に進入していくのがカリーレ監督の求めるサッカーだ。まだ不安定さは残るものの、指揮官は「試合を重ねるたびに戦術が浸透してきた」と手応えを口にする。
 15日には、新たな選手を登録できる第2登録期間(ウインドー)が始まった。V長崎は既にカリーレ監督に師事したことのあるブラジル人アタッカー、クレイソンの獲得を発表している。さらなる加入選手の有無も気になるところだが、足りないピースを補強してより指揮官が思い描くサッカーを体現できるようになれば、V長崎がJ2で「台風の目」になる可能性は十分にある。


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